韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)ツアーの2019年最終戦となった「ADTキャップス・チャンピオンシップ」を制したのは、プロ10年目のアン・ソンイだった。
「涙が出ないと思ったのに……」
プロデビュー10年目で初優勝に成功したアン・ソンイは、優勝インタビューで大粒の涙を流した。2008年にKLPGA会員となって以来、237試合目にして初めて味わう悲願の初優勝だっただけに、それも無理はなかっただろう。
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この10年間、アン・ソンイはトップ5に16回、準優勝は3回あったが、優勝と縁はなかった。過ぎ去った10年が走馬灯のように思い浮かび、涙を流した。
「優勝を狙える位置になると、心理的に不安が多かった。メンタル的に足りないものが多かった。(優勝圏内)順位に行けば体が震えてスイング制御ができないほどだった」と振り返った。
ただ、「今シーズン下半期からキャディーがスイングコーチも兼ねてくれて役立った」という。アン・ソンイのキャディーは男子プロのチャン・ソウォンだ。
「私より年下なのに、友達のように過ごしている。今日も1番ホールで緊張を緩めようと、面白い話をしてくれたり、“気にせずそのまま打って”と言ってくれた」
この日はアン・ソンイを姉のように慕う後輩チョン・インジも応援のために会場に駆け付けた。
「(インジとは)14番ホールでボギーを叩いてしまったあとに会った。その時、インジが “姉さん、結果は考えずに打って”と言ってくれて、不思議なことにその後、元気が出た」
優勝という最後の峠を常に越えられなかったアン・ソンイに最も近い人たちが、強力な助っ人になってくれたわけだ。
アン・ソンイは優勝直後、キャディーはもちろん、チョン・インジと抱き合って涙を流した。
「私の優勝を待ってくれた方々に、大きなプレゼントができたようで幸せ」
優勝賞金1億2000万ウォン(約1200万円)を受け取ったアン・ソンイの表情には喜びがあふれていた。
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