「本当に雰囲気がいい」
中継席で後輩の試合を眺めた先輩の声には、温かい愛情があふれていた。チームの雰囲気と組織力、そして結果まで何ひとつ欠点がなかったからだ。
元巨人のイ・スンヨプ解説委員が、プレミア12の連覇を狙う野球韓国代表に拍手を送った。
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キム・ギョンムン監督が率いる韓国代表は、これまで以上に明るい雰囲気で東京行きの飛行機に乗った。完璧な成績を残したからだ。
予選第1戦オーストラリアとの試合を5-0で制して幸先の良いスタートを切った韓国は、続くカナダを3-1、キューバを7-0で下し、3戦全勝でグループ1位を決めた。
投打の高い実力、自然な新旧調和など、今回の韓国代表チームを高く評価する指標は数多くある。そのなかでも“過去最高”といわれる項目は、和気あいあいとしたチームの雰囲気だ。
カン・ベクホ、コ・ウソク、イ・ジョンフなど若手選手が多数合流した今回の代表チームは、大会開幕前からフラットな組織文化が注目された。韓国シリーズ期間、水原KTウィズパークで練習を行う戦力が全員集合ではなかったものの、選手たちが互いに息を合わせてチームを盛り上げた。
練習期間に見られた彼らのチームワークは、大会が始まるとさらに輝いた。
キム・グァンヒョン、ヤン・ヒョンジョンなどのベテラン投手たちは、イ・ヨンハ、コ・ウソクら若手がマウンドを守った後、ダッグアウトに入るたびに肩を叩いて激励を惜しまなかった。無失点でアウトカウントを奪ったときは、立ち上がって大声で声援を送った。
テレビ中継でそんな姿を見た韓国の野球ファンは、「子供を見守る親の心情だ」と代表チームの温かい雰囲気に親指を立てた。
先輩・後輩だけでなく、同年代同士でも同じだった。レギュラーシーズンは敵として対戦したが、代表ユニホームを着れば“チーム”になった。各球団の象徴といえるセレモニーがそれを証明した。
韓国シリーズでは、斗山ベアーズの“自撮りセレモニー”で大きな話題を集めた。プレミア12でも同じだ。斗山選手たちはヒットを打ったりするたびに、手を伸ばして写真を撮るふりをした。ダッグアウトでは斗山選手だけでなく、すべての選手が一緒に斗山のセレモニーを披露し、得点の喜びを味わう場面が見られた。
不振だったベテラン勢が復活すると、雰囲気はさらに高まった。去る11月8日のキューバ戦では、パク・ビョンホが第1、2戦の不調を乗り越えて、マルチヒットを放った。彼はダグアウトに向かって明るい笑顔を浮かべ、同僚たちもこれまで以上に熱い歓呼で応えた。
中継席でその様子を見守っていたイ・スンヨプ解説委員は、「本当に雰囲気がいい」と大きく笑った。
これまで以上に良い雰囲気でプレミア12に挑んでいる韓国代表は、チームワークを武器に大会連覇を目指す。韓国は11月11日19時、東京ドームでスーパーラウンド第1戦としてアメリカと対戦する。
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