2008年の北京五輪優勝に続く、世界制覇を狙う野球韓国代表のキーワードは“信頼”だ。
野球韓国代表は11月6日、ソウル高尺(コチョク)スカイドームで開催されるWBSCプレミア12のオーストラリア戦を皮切りに、本格的な大会に突入する。
プエルトリコとの親善試合(韓国が4-0、5-0で勝利)を終えた韓国代表は11月4日、最終的なコンディションをチェックするために、仕上げの練習に乗り出した。本番直前の練習を見守るキム・ギョンムン(62)監督の顔には、笑顔が絶えなかった。
プエルトリコとの親善試合で無失点2連勝を収め、成功裏に模擬試験を終えたからだ。残りの点検すべきポイントは、選手のコンディションだろう。
キム監督は「選手たちのコンディションが最も重要だ。練習を終えて休んだ後、どういったコンディションにあるのか見てみようと思う。親善試合での良い雰囲気を引き継いでいけるように努力する」と覚悟を固めた。
相手チームの戦力も絶えず研究している。キム監督は「グループAの試合を見た。過去の試合を見ると、意外とメキシコが上手だった。私が見る限り、実力はほぼ同じ。組織力に応じて結果が変わるだろう」と展望した。
相手チームの研究は、選手たちも一緒にしている。この日、選手たちのトレーニング時間中、高尺スカイドームの電光掲示板には初戦の相手オーストラリアの試合映像が繰り返し再生された。
レギュラー遊撃手キム・ハソンも「他のチームの映像をずっと見ている。練習中、電光掲示板に相手チームの姿を流してくれるので、時々見ながら準備することができる」と述べた。続いて「外国人投手の球種はほとんどツーシーム、カットファストボールだ。これに合わせて練習する」と説明した。
大きなアクシデントなくここまで来ている韓国代表だが、本格的なトレーニングに入る前まで、キム監督の最大の悩みは投手陣だった。北京五輪当時とは異なり、オ・スンファン、チョン・デヒョンといった圧倒的な存在感を持つ投手がいない点も、弱点として挙げられた。
しかしキム監督は「(投手陣についての悩みは)すべて忘れてしまった。今はみんな本当に上手く投げる。監督が信じなければ、選手たちの心も良くない」と責任感を表わした。続いて「親善試合を見ていると、本当に上手だった。私が信じたときとそうでないときの差が大きい。試合中に上手くいっても、そうでなくても信頼を示すことが重要だ」と、きっぱりと語った。
“信頼の野球”を土台に、さらに固く団結したチーム力についても自信を示した。
キム監督は「韓国選手たちの組織力と団結力は、世界のどの国にも劣らない。先輩たちがしっかりと役割を果たしてくれており、強制することなく、自然に良い流れが生まれている。非常に良い」と、代表チームの新旧の調和に親指を立てた。
北京の栄光は心地良い記憶だが、うぬぼれることなく反省の機会であると考えているという。
キム監督は「事実、北京五輪では初戦が難しかった。逆転に逆転を重ねて勝った。最初の関門を勝利できたので、私も余裕を持つことができた」とし、「今になって考えてみると、最初の試合で負けていたら脱落していたようだ。最初のゲームの重みは、それほど大きい」と述べた。
オーストラリアとの初戦に全力を挙げなければならない理由もここにある。
事前チェックと模擬試験は成功裏に終えた。あとは本番を待つだけとなった。信頼をキーワードに、組織力と団結力を強化した韓国代表が、2度目の世界制覇に挑む。
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