トリプルアクセルを成功させた15歳のユ・ヨンがフィギュア女王への道を歩み始めている。
ユ・ヨンは去る10月27日(日本時間)、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダで計217.49点を獲得し、出場選手12人のうち3位に入った。シニアデビューの舞台で銅メダルに輝いた。
自己最高得点(200.89点)をはるかに超え、韓国女子シングル歴代2位の高得点で、シニアグランプリ3番目のメダル獲得に成功した韓国人選手となった。自分自身ですら大きく期待していなかった成果だったため、メダルを首にかけたユ・ヨンの表情はさらに明るかった。
10月30日、仁川(インチョン)国際空港を通じて帰国したユ・ヨンは、「あまりにも上手な選手が多くて5位くらいと予想した。メダルを考えず、クリーンな演技をするのが目標だったが、銅メダルまで獲得できて大きな動機になった」と笑った。
シニアデビュー初年度に披露したトリプルアクセルが、正確な効果を発揮した。実戦で初めてきちんと成功し、あのキム・ヨナも超えられなかった韓国女子シングル初の記録を作った。
しかし完成までには過去3年間、数多くの努力があった。特に昨年、濱田美栄コーチに出会い、トリプルアクセルの練習に集中したことが大きな助けになった。
ユ・ヨンは「昨年までほとんど飛べなかったのに、今季から突然良くなった。練習をたくさんしたことで体が慣れたようだ」と、ジャンプの完成度を「80%」とした。それを100%にまで引き上げるのが今シーズンの目標だ。
彼女は「昨年の世界ジュニア選手権、ジュニアグランプリなど大きな大会で成功できなかった。今季はたくさんの大会に出場して、そのトラウマを克服したい。トリプルアクセルを初めて試みるシーズンだから、(シニアの)世界選手権と四大陸選手権でも着地できるようにする」と覚悟を表わした。
高難度ジャンプに対するユ・ヨンの挑戦は、これ終わりではない。
今大会の金メダリストであるアレクサンドラ・トゥルソワ(ロシア)は、4回転ジャンプを3回試みて、241.02点を叩き出した。そのシーンを目の当たりにしたユ・ヨンは、考えが変わった。
彼女は「今シーズンの初めまで4回転サルコウ、トゥループ、ルッツを練習した。でも背が高いから、3つの高難度のジャンプをしようとすると、膝が痛くなった。体がついていかないと判断し、まず基礎体力を作るために4回転は1つだけ練習することにした。でも今や1つでは足りないようだ」と話した。
そして「2~3年前からロシアの選手たちを見ると、高難度ジャンプがなければ点数差が大きいので、追いつけない。私も次のシーズンは、4回転サルコウくらいはできるはず」と耳打ちした。
ユ・ヨンは現在、来る11月8~11日に行われるグランプリシリーズ第4戦・中国杯の出場を準備している。ビザの問題を処理するために3日間は韓国に滞在し、日本・大阪に渡って濱田コーチと最終調整を行い、中国行きの飛行機に乗る予定だ。
ユ・ヨンは「エントリーを見ると、第2戦よりはましだが、それなりの試合になりそうだ。ファイナル進出やメダル獲得ではなく、自分ができる精一杯ができたとき、最も満足できる。クリーンな演技ができればいいな」と話した。
そして「ナショナルチャンピオンになったのが、すでに4年前だ。最初は有名になることを喜んでいたが、だんだん負担も大きくなり…。一方では頑張らなければという考えも浮かんだ。選手としては難しいところだが、勝ち抜きたい。良い成績が出ているので、さらに熱心に練習して、良い舞台をお見せしたい」と力を込めた。
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