エースが機能しなければ苦戦となるのはすべてのチームで同じだが、興国生命ピンクスパイダーズの場合、さらにダメージが大きいのが現実だ。
興国生命は10月22日、ソウルの奨忠(チャンチュク)体育館で行われたGSカルテックスとのVリーグ女子の試合で、セットスコア0-3の完敗を喫した。
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エースであるイ・ジェヨンが14得点にとどまり、難しい試合となった。他の選手が1試合14得点を記録すれば活躍できなかったとはいい難いが、主人公がイ・ジェヨンとなると話が違ってくる。
イ・ジェヨンは昨シーズン、興国生命の統合優勝を導いた主役であり、正規リーグとチャンピオン決定戦の両方でMVPを受賞した。名実ともにVリーグ女子のトップクラスの選手となったイ・ジェヨンに対する期待は大きい。
実際に開幕戦でもイ・ジェヨンは33得点を記録し、大活躍を見せた。アタック決定率も58.49%に達した。
しかしGSカルテックスとの試合は違った。
イ・ジェヨンのアタック決定率は、開幕戦の半分程度である26.67%に過ぎなかった。攻撃シェアが34.35%と最も高いイ・ジェヨンの得点が伸びなかったことで、興国生命は苦戦するしかなかった。
試合前、GSカルテックスを率いるチャ・サンヒョン監督は、「私が見るにイ・ジェヨンのレベルが上がった」とし、「成熟した姿を見せている。外国人選手よりもイ・ジェヨンをどう押さえるかが課題だ。イ・ジェヨンのアタック決定率を落とさなければならない」と話し、“イ・ジェヨン封鎖”に集中するとした。
実際にGSカルテックスは、ブロッカーがイ・ジェヨンを徹底マークして苦しめた。センターの速攻や逆サイドの攻撃をあきらめても、イ・ジェヨン1人だけは防ぐという意思で守備した。サーブもイ・ジェヨンを狙った。
作戦は的中し、GSカルテックスは1セットも落とすことなく勝利した。チャ監督は「守備がしっかりしていた。中央が心強かった」と満足感を表わした。
興国生命のパク・ミヒ監督の悩みは深まるしかない。
まだシーズン序盤にもかかわらず、イ・ジェヨンが捕まる試合をしたため、今後は他のチームもGSカルテックスが選んだ戦略で試合に臨む可能性が高いからだ。
パク監督は「話をしてみないとわからないが、毎回良いコンディションで上手くいくわけではない。考えをもっとしなければならないようだ」と、悩みに陥った様子だった。
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