大学生中心のアマチュア選手によって構成された野球韓国代表が、第29回BFAアジア野球選手権大会で4位に沈んだ。
この結果、2020東京五輪のインターコンチネンタル予選の出場権を得ることができなくなった。
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10月20日に台湾の台中インターコンチネンタル球場で行われた3位決定戦で、韓国代表は中国相手に4点のリードを守れず6-8の逆転負けを喫した。中国にはグループリーグでも3-4で敗れている。
敗因には野手の失策や投手の危機管理能力不足が挙げられる。投手は球威や制球、ゲームコントロールなど大事な要素をひとつも兼ね備えられず、野手は基礎的な捕球と送球で落第点のプレーを見せた。
韓国野球ソフトボール協会(KBSA)は今大会に大きな期待を寄せていた。
大学野球の活性化を目的に、代表メンバーを大学生中心のアマチュア選手のみで構成した。大学生の大半はプロ指名者であった他、高校生からも1次指名や2次ドラフト上位ラウンドで指名を受けた世代別代表経験者が今大会に出場した。
大会前、韓国代表を率いたユン・ヨンファン監督は「国内のアマチュア活性化のため、野球人や協会としての意地を背負い、大会に臨む。プロ選手はいないが、強い精神力と結束したチームワークで良い成績を挙げたい」と意気込んでいた。「今大会で良い成績を挙げられれば、大学生や高校生にも今後代表に選ばれるチャンスが出てくる」とも述べた。
ここで問題となるのは、アマチュア選手の国際競争力が地に落ちていることだ。特に大学生は年間通して試合回数が非常に少なく、経験を積むことすらままならない。
プロのスカウトたちは「投手は週に1回登板して投球数をコントロールすれば、肩のコンディションも調整できる。だが、突発的な状況判断が求められる野手たちは、試合数を多くこなす必要がある。これはブルペンの投手も同様だ」と口をそろえた。
にもかかわらず、大学野球では勉学の最優先を理由に、一般学生と同様の日程を消化することが強制されている。代表に選ばれた選手や、ゴルフのようにプロへ転向する選手たちは話が異なるが、そもそも野球は国際大会自体が多くない。大学の野球部という身分では、プロ球団にも入団すること厳しいのが現状なのだ。
各大学野球部の監督たちは、「授業のため練習に参加できる時間もそれぞれ異なる。勉学と休息を保証すべきという政府の方針によって、学期中は週に1回ほど試合を行うぐらいで、休暇中に開催するトーナメントで初戦敗退でもすれば、試合数は1年間で10にも満たないのが現実だ」と訴えた。
韓国野球委員会(KBO)は、大学野球部が参加するリーグを新たに発足しようという案を出したものの、KBSAが不快感を表したことで議論すらできずにいる。スポーツ界からは「大学入試の際にスポーツ活動による加算点を付与すべきだ」との主張も出ているが、関係部署には理解が及んでいない。
今大会の惨敗は、代表を夢見る韓国内の大学生の自信を喪失させ、衰退著しい韓国野球界の暗い現状を露わにすることとなった。一方的で画一的な制度がスポーツにおいてどれほどリスクを生むのか、韓国政府も耳を傾ける必要がある。
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