スコアレスドローに終わった北朝鮮と韓国の“サッカー南北戦”に、海外メディアも注目を集めている。
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米メディア『タイム』は南北戦をスポーツセッションのメインに扱い、「5万人を収容できる金日成競技場で北朝鮮はホームアドバンテージを利用するかと思われたが、弊社職員が撮影した写真によると観衆は1人もいなかった」と、無観客で試合が行われたことを報じた。
合わせて「北朝鮮がなぜこのような行動をとったのかわからない」という韓国サッカー協会(KFA)関係者のコメントも引用している。
ソン・フンミン(トッテナム)の写真で韓国を紹介した英メディア『イブニング・スタンダード』は、「韓国が平壌で暗黒の中に残された」と見出しを打ち、「がらんと空いたスタジアムで外部と遮断されたなかで、南北の対決が繰り広げられた。休戦状態である国家同士の試合は生中継も、応援団も、メディアもなく行われた。AFCが“最も期待される対決”と待ち望んだ試合の速報を得る手段は、FIFAとAFCのホームページに流れるテキスト中継のみだった」と詳細を伝えた。
また、「この試合は北朝鮮が数回ミサイル実験を行い緊張が高まるなか、アメリカとの会談も決裂した直後に行われた。ムン・ジェイン大統領が昨年の平昌(ピョンチャン)オリンピックを通じ、平壌とワシントンの会談を仲裁した当時の融和ムードからは遠ざかっている」と、政治的要因があるという見方もしている。
世界最大の通信社である『AP通信』は、「北朝鮮は5万人の自国民の前で韓国に敗れる可能性を考慮したとみられる。これはキム・ジョンウン国務委員長にとって屈辱的な展開だ」とし、「北朝鮮は韓国の取材陣とサポーターの訪朝許可を下ろさなかった措置を通じて、政治的な不快感を表現した。無観客試合については、公平性に関する質問を避けるための努力だろう」との解釈を表した。
また、「韓国サッカー協会はスタジアムに職員2人を派遣したものの、インターネット接続が不安定なことからホームページでテキストによる生中継を行わなかった。その代わり、現地からメールで送られてきた速報を、SNSを通じて確認することを推奨した」と現地の裏話も伝えた。
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