年俸14億円を要求して交渉中断? ベトナム代表の韓国人監督が心境明かす【独占インタビュー】

2019年09月25日 サッカー
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サッカーベトナム代表を率いるパク・ハンソ監督(60)は、ベトナムサッカー協会との契約が2020年1月に満了を迎える。

パク監督は2017年にベトナム代表監督に就任後、数々の成果を上げてきた。2018年1月のAFC U-23選手権準優勝を皮切りに、同年9月のアジア大会では56年ぶりにベスト4に進出。SUZUKI CUP(東南アジアサッカー選手権)では10年ぶりに優勝し、悲願の東南アジア王者となった。

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今年1月のアジアカップでは準々決勝で日本に敗れたものの、ベスト8という結果を残した。

この2年間で、パク監督はベトナムの国民的英雄になった。契約書では10月に再契約交渉が行われることになっており、協会側が再契約を求めるのが当然の流れに見えるが、7月から不穏な噂が流れている。

現地の報道によると、パク監督が120万ドル(約14億円)の年俸を協会に要求したというのだ。協会関係者は、次のアジアカップでは決勝に進まなければならないとプレッシャーを与えていたともいう。

9月17日、ソウルで『スポーツソウル』との取材に応じたパク監督は今の心境を明らかにした。

パク・ハンソ監督

彼は「一度もお金の話を持ち出したことはない。決してそのような話はしてこなかったのに、なぜこのような報道が出ているのかわからない。率直に言って寂しいのが事実だ」と打ち明けた。

「善意をもって早期交渉に臨もうとしたが…」

今年7月、パク監督は10月の再契約交渉を事前に行おうとしていた。9月から2022年カタールW杯アジア2次予選が始まり、11月には東南アジア競技大会(SEA Games)が控えていることもあり、早めに契約交渉を終えて監督業に集中したい思惑があった。

ところが、このタイミングで流れた前述の報道。パク監督は「ベトナムには感謝の気持ちがあり、目標を達成したい思いも強い。だから善意をもって早期交渉に臨んだのだが、そのときから根も葉もない噂が出始めた」と述べた。

また、「私は決してお金の話を持ち出したことはない。お金が大事ではないかといわれたら、それは嘘だ。当然多いほうがいいだろう。だが、なぜ交渉が本格的に始まってもいない段階で、私が年俸をいくら要求したなどと具体的な金額まで出ているのか。どこからこのような報道が出たのか、それがわからない」とため息をついた。

それに加え、協会首脳部は次のアジアカップで決勝に進出しなければならないとパク監督にプレッシャーも与えた。協会の世論操作が疑われた部分だが、協会は本紙報道を発端に地元メディアやファンの間から非難が出るやいなや、一連の事実を否定した。

パク監督の善意による早期の再契約交渉はさまざまなノイズによって阻まれ、現在はパク監督からの要請で交渉が中断されている。

パク監督は「正直、寂しい気持ちなのは事実だ。それでも10月の交渉の場では円満に話が進むことを願う。私は何よりも、代表と私自身が追求する目標について話し合いたい。お互いが現実的な目標を立て、建設的に話をすることが最も重要だ」と、契約延長の実現を望んだ。

「私にはすべきことが残っている」

今回の件で、一部ではパク監督に退任を薦める声も上がっている。これまでパク監督が築いてきた名誉に傷がつくと、心配から来る意見だ。しかし、パク監督の考えは違う。

「そのような意見もわかる。私を大切にしてくださっているからだと理解している」としつつも、「私にはすべきことが残っている。私は今まですべての大会で成功したと思っていない。SUZUKI CUPでの優勝が唯一の成功だと思う。いつまで監督を続けられるかはわからないが、今退任するのは無責任だろう」と、ベトナムサッカーのために尽力する考えを明らかにした。

もし3年の再契約が成立すれば、パク監督はベトナム代表監督としては史上最長の在任期間となる。パク監督は「この先も監督を続けられたら、それはまた意味があるだろう。最善を尽くしていきたい」と言葉を添えた。

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