サッカー韓国代表の“ジャカルタ世代”が9月、岐路に立つ。
パウロ・ベント監督率いる韓国代表は、2022年カタールW杯に向けて本格的な準備を開始した。9月の招集メンバーである26人は来る9月5日、トルコのイスタンブールでジョージアと親善試合を行い、9月10日からアジア2次予選に挑む。
9月のAマッチを通じてベストメンバーを固めるだけに、韓国代表チームの世代交代にも速度がつくと思われる。特に2018年ジャカルタ・アジア大会で金メダルを獲得した若い選手たちが、代表チームの主力に定着できるかどうかに関心が高まっている。
ジャカルタ世代の悲喜は、9月の招集から分かれた。
キム・ムンファン(釜山)は、昨年のアジア大会を通じて次世代のフルバックとしての存在感を見せ、以降は着実に代表チームに招集されてきたが、軽い脇腹の痛みを訴えて今回はメンバーから除外された。しかし体調に大きな問題のないイ・スンウ(ヴェローナ)、キム・ジョンミン(リーフェリング)、イ・ジンヒョン(浦項)も、司令塔の呼び出しを受けなかった。事実上、実力不足で除外されたわけだ。
ジャカルタ世代からはナ・サンホ(FC東京)、ファン・インボム(バンクーバー)、ファン・ヒチャン(レッドブル・ザルツブルク)、キム・ミンジェ(北京国安)の4人が招集された。1996年生まれであることから“96ライン”と呼ばれる彼らは、アジア大会を通じて韓国を代表する有望株に浮上した。
キム・ハクボム監督のもとで優勝という貴重な結果を残した彼らに、A代表の未来を担う人材を求めるベント監督も注目している。すでにベント・コリアにおける彼らの活躍が、韓国代表の世代交代のカギを握っているという評価もある。
ただナ・サンホ、ファン・インボム、ファン・ヒチャンが競争する2列目では、頭角を現す選手が誰もいなかった。重用されたときに実力を証明することができず、まだ立場が不安定な状況だ。
そのなかで最もコンディションが良いのは、ファン・ヒチャンだろう。
2019-2020シーズンは所属チームで6試合に出場し、3ゴール6アシストを記録しており、海外組のなかで最も多くの攻撃ポイントをあげている。クォン・チャンフン、イ・ジェソン、イ・ガンインなどの先輩・後輩と競争するレベルにある。
守備の交代要員だったキム・ミンジェは、代表永久除名の懲戒を受けたチャン・ヒョンスの離脱によって、立場が変化した。
去る1月のアジアカップからは、A代表のレギュラーとして試合に出場している。セットピースから2得点を決めるなど、攻撃力も良い。“後方ビルドアップ”を強調してきたベント監督体制において、たしかな存在感を示している。“96ライン”のなかで、最もスターティングメンバーに入る確率が高い選手だ。
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