Kリーグが盛り上がっている。
さまざまな追い風のなかでスタートした2019年Kリーグが、夏の終わりまで熱気を継続させ、興行ラッシュを続けている。全38節のうち、3分の2ほどが終わった8月17日、注目すべき出来事があった。
1部リーグと2部リーグが同時に、昨シーズンの合計観客数を超えたのだ。これは数字だけを見た場合、昨年より今年の合計観客数が50%以上増加したことを意味する。
韓国サッカー界では、市・道民クラブの人気が高まったことでKリーグ全体のファン層が広がり、全北現代の1強時代が終わって“競争の楽しさ”にファンが魅了されたものと分析している。
昨年行われたロシアW杯とジャカルタ・アジア大会、今年のU-20ワールドカップと続いた好成績が、サッカーそのものの関心を増やす起爆剤の役割を果たしたことも見逃せない。韓国プロサッカー連盟と各クラブによる地域密着事業とユース育成も効果を出している。
Kリーグ1は昨年、総観客数124万1320人を記録した。ところが、今年は第26節の6試合のうち4試合が行われた8月17日に、その人数を超えた。
韓国プロサッカー連盟は、昨年から有料観客数だけを集計して発表しているが、8月17日までに“お金を出して”スタジアムを訪れた人数が125万575人なのだ。昨年の第26節までの有料観客数が81万3618人だったことを考慮すると、同期間に55.5%も増加したといえる。
今年の1試合当たりの平均観客数は8121人で、昨年の5216人より3000人近く上回っている。2部リーグも8月17日に総観客数が31万2488人を記録し、昨シーズンの31万627人を超えた。
1部、2部を問わず、Kリーグが好況を享受した背景には、まず市・道民クラブの躍進を挙げることができる。
大邱FCが代表的だ。
大邱FCは今年、開幕とともに完成されたDGB大邱銀行パークでホームゲームを行っているが、1試合当たりの平均観客数1万377人を記録し、FCソウル(1万7776人)、全北現代(1万4388人)の2大クラブの次に観客数が多いクラブとなった。
昨年の平均観客数は3429人で、なんと202.6%も上昇したのだ。
都市再開発事業の一環として新築されたDGB大邱銀行パークは現在、大邱の新しい名物として位置づけられた。観衆がスタンドで足踏みしながら選手たちを激励する「クン・クン・ゴール」応援は、大邱市民が必ず一度は体験したいイベントとなった。
城南FCと仁川ユナイテッドという首都圏の2つの市民クラブ球団も、盛り上がりを見せている。
今年1部に昇格した城南FCは、昨年の平均観客数2326人から今年6146人と、164.2%の増加を記録した。“昇格効果”に加え、ウン・スミ城南市長の関心、炭川総合運動場の改修期間に旧都心の城南総合運動場でホームゲームを行ったことなどが相乗効果を生んだ。
仁川ユナイテッドは忠清郷友会会長を担当しているチョン・ダルス代表理事の努力が大きい。仁川広域市300万人のうち、汎忠清人口が170万人に達するのだが、チョン代表が彼らと呼吸を合わせながら“仁川サッカーブーム”を作っている。仁川ユナイテッドが降格圏の戦いをしているにもかかわらず、1試合当たり平均8055人の観客が押し寄せる理由だ。
さらにFCソウルや全北現代など人気企業クラブも好成績とともに、昨年より多い観客数を記録している。降格の影響を受けた全南ドラゴンズを除き、1~2部の22クラブのうち、合計観客数が減ったクラブはない。
▲全北現代と蔚山現代のし烈な首位争い▲FCソウルと水原三星、江原FC、大邱FCによる首都圏の企業クラブと地方市民クラブによる3位争い▲慶南FC、済州ユナイテッド、仁川ユナイテッドによる降格圏の激戦など、いたるところで繰り広げられる予測不能の順位戦いも、シーズンを通してファンに楽しさを感じさせる要因だ。
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例年に比べて、各クラブの戦力が拮抗し、まだどのクラブも目標達成を確信できない状況といえる。FCソウルのチェ・ヨンス監督の復帰や外国人選手たちの大活躍も、Kリーグの話題を豊かにした“味付け”となった。
韓国プロサッカー連盟の関係者は、「100年を見据えて推進した地域密着事業と、ユース育成プランが徐々に結実を見ている」とし、「光州FCや富川FCが“大邱型”のサッカー専用スタジアムを作れば、来年のKリーグはさらなる盛り上がりが期待される。各世代の韓国代表チームの人気と相まって、サッカーは子供たちが一番したい、見たいスポーツになった。このような雰囲気を生かしていく」と述べた。
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