「そうだ。韓国に戻ってから現地に行く。我々の立場としては、清水戦を終えてから送ることを望む。我々は受け入れるチーム(ボルドー)側に立たなければならないのではないか。ガンバ大阪もそのような点を受け入れたと聞いている。
ただ、バイアウト条項に合流日程は記されてしない。金額は200万ユーロに定められているが、合流期間は“トランスファーウィンドウ”期間に設定されている。送り出す側のガンバ大阪の立場としては“いつ送り出そうが我々の自由じゃないか”と思っているかもしれない。
しかし、ボルドーは8月11日の開幕戦をしなければならない。また、7月14~28日にはアメリカ・ワシントンでツアーをする」
―ボルドーがなぜファン・ウィジョを選んだのか?
「プロの世界では競争を避けることはできない。ファン・ウィジョもフランスに行けば競争しなければならない。ボルドーを率いるパウロ・ソウザ監督がポルトガル人だが、韓国代表のパウロ・ベント監督ともすべて確認しているのではないかと思う。
もちろん、監督が求めたからといってすべて受け入れるわけではない。ボルドーからすれば、満27歳のファン・ウィジョは結構な年だ。うまく使い、後で売らなければならないのだが、そういう価値がある選手だと判断したのだろう。
200万ユーロを投資して、よく使って売ることができるかを検討したようだ。そこで私たちは“元金をいつでも回収できる選手だ”と話した」
―昨年1年間で最高の技量を披露しただけに興味を示したチームも多かったはずだが…。
「ファン・ウィジョ本人が夢見ているのはプレミアリーグだ。その夢のために走り続ければ、ボルドーも元金以上を回収できる。
中東や中国からオファーは来ていた。年俸が350万~400万ドル(約3億7000万~4億3000万円)だった。 しかし、ファン・ウィジョの目標は欧州だった。
MLSのバンクーバーも、(彼が求める条件を)すべて受け入れると熱心に誘ってきた。マイアミ、ポートランドからもオファーがあった。しかしファン・ウィジョは、“欧州でなければ行かない”と固執した。
ボルドーで受け取る年俸も、日本で受け取る金額よりも悪くはなく、不足しないぐらいだ。欧州ではオプションを与えない傾向があるが、オプションも我々が受け取った。うまくいったようだ。
ファン・ウィジョ本人が大金を放棄したこともあるが、日本で受け取るぐらいは受け取ることになった。ファン・ウィジョは“年俸が減っても欧州に行く”と言っていたが、それは私が許さなかった(笑)」
―ソウザ監督とベント監督は親しいのか。そんなことも移籍に影響を与えたのか?
「それはわからない。ただ、ポルトガルの監督たちはよく疎通している。ファン・インボムが所属するバンクーバーのマーク・ドス・サントス(ポルトガル系カナダ人)監督もベント監督と常にコミュニケーションしていた。ファン・インボムがAマッチ期間に招集され、再び所属チームに戻ったあとまで、互いに細かくコミュニケーションをしているようだ」