どんなに優れた投手でも、すべての試合を好投できるわけではない。シーズン30試合以上の先発登板を行えば、崩れる試合が一度や二度はあるはずだ。
ただ優れた投手は、すぐに不振から立ち直る。次の試合ですぐに立ち直り、再び上昇曲線を描く。
ロサンゼルス・ドジャースのリュ・ヒョンジンがそうだ。
KBOリーグ時代はもちろん、メジャーリーグ進出後も、2試合連続で崩れたことはほとんどない。メジャーデビューした2013年シーズンから現在まで、2試合連続で自責点4以上を記録したのは、たった3回だけだ。多くの失点を許した次の試合は、自らを奮い立たせて不振を跳ね返した。
今回もそうだった。
リュ・ヒョンジンは6月29日(日本時間)のコロラド・ロッキーズ戦で、4イニング7失点という今季最悪の不振を経験した。その次の試合となった7月5日のサンディエゴ・パドレス戦は、6イニング無失点とマウンドをしっかり守った。
去る6月5日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で、7イニング無失点を記録して今季9勝目をあげて以降、守備のエラーや“クアーズ・フィールド悪夢”を経験しながらなかなか10勝目をあげられなかったリュ・ヒョンジンは、サンディエゴ戦の勝利で見事に二桁勝利を記録し、気持ち良くシーズン上半期を終えた。
リュ・ヒョンジンは、自分が上半期最高の投手であることを再び証明した。
リュ・ヒョンジンは現在、防御率(1.73)、最多勝(10勝)、WHIP(0.91、1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数値)、9イニング当たりの与四球(0.83)、被出塁率(0.240)、与四球ひとつ当たりの奪三振率(9.90)で、ナショナルリーグのトップに上がった。
オールスター戦の先発投手に指名された後、いくつかの地元メディアでリュ・ヒョンジンとマックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)のどちらがベストなのかという議論が続いたが、とにかくリュ・ヒョンジンは投手の価値を評価するための数多くの部門で1位となった。ナショナルリーグを代表する投手としてオールスター戦の先発を担うのは当然だろう。
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ロサンゼルス地域のメディアは、リュ・ヒョンジンの素晴らしい上半期に拍手を送った。またカリフォルニア地域のメディアも「リュ・ヒョンジンがサンディエゴ戦で防御率を1.73とした。オールスター戦の先発投手である価値を証明した」と評した。
ドジャース球団は、リュ・ヒョンジンが記録した防御率1.73は、ドジャース先発投手の上半期の成績で歴代6位に該当することを伝えた。ドジャースのユニフォームを着た現役選手のなかで、リュ・ヒョンジンよりも優れた防御率で上半期を終えた先発投手は、ザック・グレインキー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)が唯一だ。グレインキーは2015年の上半期、防御率1.39を記録している。
リュ・ヒョンジンは来る7月10日、クリーブランドで最高投手としてマウンドに上がる。韓国野球史上初のオールスター戦先発であり、1995年の野茂英雄以来、24年ぶりに東洋人がオールスター先発投手になる。
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