イ・ガンイン(18・バレンシア)の圧倒的な“存在感”が光った試合だった。
チョン・ジョンヨン監督率いるU-20韓国代表は6月12日(日本時間)、ポーランドで行われたU-20ワールドカップ準決勝・エクアドルとの試合に1-0で勝利した。
韓国は前半39分、チェ・ジュンがイ・ガンインのアシストから先制ゴールを決めた。それが決勝点となり、韓国はU-20ワールドカップで初となる決勝進出に成功した。
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同試合でイ・ガンインは、ワントップのオ・セフンのすぐ後ろで自由に動く、攻撃的MFの役割を引き受けた。前半はイ・ガンインとチェ・ジュンのコンビネーションが良かった。
イ・ガンインがボールを持つと、左ウイングバックのチェ・ジュンが積極的にオーバーラップし、エクアドル守備陣の裏のスペースを攻略した。イ・ガンインは自分の武器を生かして空いたスペースに正確なパスを送り、チェ・ジュンの攻撃力をフル活用した。
前半1分、チェ・ジュンがミドルシュートを放つと、同13分にも左サイドの攻撃から相手を威嚇した。14分にもイ・ガンインのパスを受けたチェ・ジュンが相手DFからファールをもらい、フリーキックを得た。
左サイドから粘り強く攻撃を仕掛けた韓国は前半39分、先制ゴールを決める。
左サイドでフリーキックを獲得すると、イ・ガンインがエクアドルの守備陣が体制を整える前に、素早くペナルティエリア左にスルーパス。迅速にゴールへと走ったチェ・ジュンがペナルティボックス左からダイレクトで右足シュートを放ち、ゴールネットを揺らした。懸命に攻撃を試みた末に得た、貴重な得点だった。チェ・ジュンのシュートはもちろん、イ・ガンインの意表をついたプレーが光った。
決勝点を生み出したそのパスは、イ・ガンインの今大会4回目のアシストと記録された。イ・ガンインは、グループリーグのアルゼンチン戦で1アシストを記録し、8強セネガル戦で2アシストを加えた。U-20ワールドカップでは、特別にアシスト王を選出しないが、イ・ガンインの実力が伝わる記録であることはたしかだ。
後半に入っても、イ・ガンインは試合に絶対的な影響力を及ぼした。先制点を許したエクアドルが試合の主導権を握ると、韓国は前半に比べて攻撃に転じる機会が多くなかった。それでもイ・ガンインは、ボールに触れるたびに光るプレーで、カウンターにつなげる役割を果たした。
後半16分には右サイドから華麗な個人技で相手DFの間をくぐり、オ・セフンに絶妙なスルーパスを送った。またコーナーキックやフリーキックのときは、正確なキックでエクアドルの守備を威嚇した。
イ・ガンインは後半28分にパク・テジュンと交代して、ベンチに向かった。韓国の勝利が見えてきた状況でチョン監督は、イ・ガンインの体力を温存した。イ・ガンインがピッチを出ると、観客は一斉に拍手と歓声を送った。
大会前イ・ガンインは、「目標は優勝だ」と堂々と話した。そのときは非現実的な目標だと考える人がほとんどだったが、イ・ガンインは自らの実力でチームを決勝まで導いた。
試合に出場した21人全員のボールだが、イ・ガンインの影響力が絶対的だったという点を否定することはできない。それはエクアドル戦でも同じだった。
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