今からがスタートだ。
チョン・ジョンヨン監督率いるU-20韓国代表は、2019年のU-20ワールドカップで一定の競争力を見せている。“死の組”だったグループFで2勝1敗を記録してグループリーグを通過し、16強戦で宿敵・日本を下してベスト8に進出したことは、当初の予想を超える成果だった。
6月9日にはセネガルとの準々決勝も控えている。
一般的にU-20ワールドカップは、結果よりも過程、そして可能性を確認するためにより大きな価値を置く。20歳以下の若い選手たちがどの程度の可能性を持っているかどうかをチェックし、大会を通じてさらに成長する機会を得ることが重要だ。U-20韓国代表の21人も、ポーランドでのさまざまな経験を土台に、成長の足場が作っているところだろう。
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だがU-20代表だからといって、将来も順風満帆なわけではない。U-20ワールドカップがスター選手の登竜門になることもあるが、ただのスター選手で終わらないためには、大会後も絶え間ない精進が必要不可欠だ。ここで満足することなく、さらに大きな刺激を自らに課し、より大きな選手にならなければならない。
実際に過去U-20ワールドカップに出場した選手たちの事例を見ると、期待ほど成長していないどころか、早期引退した選手も多数いる。一方で欧州に進出し、A代表に抜擢されて韓国を代表する選手に成長するケースもある。
チョン監督が「成績より楽しむことが重要だ。今回の大会でたくさん学び、経験しなければならない。今よりももっと良い選手にならなければならない」と強調しているのも、そのためだ。
U-20代表の選手たちにとって次の“カンフル剤”は、オリンピックだろう。U-23代表は、2020年に大きなイベントを控えている。東京五輪だ。来年1月には、オリンピック予選を兼ねたアジアサッカー連盟(AFC)U-23選手権を通過しなければならない。
U-23代表キム・ハクポム監督は、約10日間ポーランドに滞在し、U-20代表のグループリーグ3試合をすべて観戦した。U-20代表選手たちの技量や才能、可能性を綿密に観察し、次の候補を確認したのだ。
オリンピックには1997年生まれまで出場できるが、その年齢層の選手たちは昨年のアジア大会で金メダルを獲得し、多くが兵役免除の恩恵を受けた。その恩恵を受けた選手たちもオリンピックに出場できるが、チームの雰囲気や全体的な動機などを考慮して、キム監督は新しいチームを作る準備をしている。
当然ながら、U-20ワールドカップに出場した選手たちにもチャンスがある。
実際にオム・ウォンサンやチョ・ヨンウク、チョン・セジン、イ・ヘイクなどの一部選手たちは、去る3月のU-23選手権・予選ラウンドに参加した。他の選手たちにも可能性は開かれている。キム監督はすでにU-20ワールドカップにおける競技力を見たので、今後も着実に活躍する姿を見せれば、オリンピックに出場する可能性がある。
A代表への抜擢も、大きな動機になることは明らかだ。パウロ・ベント監督は現地にコーチングスタッフ2人を派遣した。キム・ヨンミンコーチとFilipe Coelhoコーチが直接、ポーランドでU-20代表の試合を見守った。すでにA代表に招集されたことのあるイ・ガンインやキム・ジョンミンなども見ただろうが、そのほかに可能性のある選手たちのプレーも目に入れたはずだ。
今すぐの抜擢は難しいだろうが、所属チームで競争力を備え、着実に活躍すれば、コーチングスタッフの頭の中にあるU-20代表選手たちにも、A代表に招集される機会が生じるかもしれない。
U-20代表の若い選手たちには、今からが重要だ。
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