イ・ガンインの“ワンマンチーム”ではないという事実を、明確に証明した試合だった。
チョン・ジョンヨン監督率いるU-20韓国代表は6月5日(日本時間)、ポーランドのルブリンスタジアムで行われた日本とのU-20ワールドカップ16強戦に、1-0で勝利した。オ・セフンが後半39分に決めたヘディングゴールが決勝点となった。日本を下した韓国は、ベスト8に進出した。
同日、韓国のエースであるイ・ガンインは相手の集中マークを受けた。イ・ガンインにボールがわたると、多くの場合2~3人が駆けつけてプレッシャーをかけた。イ・ガンインはキープ力が高いため、簡単にボールを奪われない。日本戦でも同じだった。
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それを知る日本の選手たちは、過酷なファールもいとわず、イ・ガンインに強く当たった。イ・ガンインは一定の役割は果たしたが、過去のグループリーグ3試合、特にアルゼンチン戦に比べると、大きな影響力を見せることはできなかった。
イ・ガンインの影響力を発揮できなかったU-20韓国代表だが、試合には勝利した。最も大きな貢献をしたのは、オ・セフンとチェ・ジュンだ。後半39分、チェ・ジュンが左からクロスを上げると、オ・セフンが頭で合わせて日本のゴールネットを揺らした。
その2人以外で活躍が目立ったのは、オム・ウォンサンだろう。後半開始と同時に途中出場したオム・ウォンサンは、速い足と柔軟なドリブルを駆使して、日本の右サイドを切り崩した。オム・ウォンサンが攻撃を仕掛けるごとに、日本の守備は大きく揺れ始めた。
右サイドの攻撃が活気を取り戻すと、反対の左サイドでも攻撃が続いた。イ・ガンインが華やかに輝かなくても、他の選手たちの力で勝利することができるという事実を証明した重要な試合になった。
試合後、ミックスゾーンで取材陣と会ったイ・ガンインは、「相手がタイトで大変だったが、うまく適応する必要がある。相手が僕に集中すれば、他の選手たちにそれだけスペースができる。チームに貢献することができる」と、他の選手たちの活躍がチームの勝利につながればいいという考えを示した。
U-20韓国代表は5月25日以降、10日間で4試合を消化した。体力的に厳しい状況だ。そんなときこそ、さまざまな選手の活躍が必要になってくる。
イ・ガンインの場合、毎試合先発出場し、ほぼフルタイムを消化したため体力が落ちるしかない。まだ18歳と2歳若いうえ、所属するバレンシアのトップチームで着実に試合に出ていたわけではないので、体力の管理も必要だ。
他の選手たちの活躍で勝利できた日本戦は、今後につながる良い結果だ。U-20韓国代表がさらなる高みへと挑戦する原動力になる。
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