欲をいえば、永遠に更新されなければいいだろう。しかし記録は、いつか破られるものだ。選手たちの技量も上がっている。1年くらい持てばいい。
―最も苦労したことは?
マインドコントロールが最も大変だった。必ず1位にならなければならないというプレッシャーがあった。食事の調節も続いた。朝5時に起きて夜9時まで、練習を4ターンした。他の人が1をするとき、私は2をした。結局、そんなことの積み重ねが、今の自分を作ってくれた。
でも、すべてのことを自制しなければならないというのは大変だった。平昌が一番大変だった。ドイツでは最高記録を作り、平昌に進んだが、感じ方が本当に違った。メダルを取れなかったらどうしようという否定的な考えが、私を苦しめた。ぐっすり眠れたこともない。必ず1位にならなければというプレッシャーがあった。
―特に注目する後輩選手はいるか。
キム・ミンソン選手を推薦したい。ミンソンはまだ若いが、精神力が強い選手だ。自分と似たところを感じた。平昌五輪のときも同じ部屋で過ごしながら、若い選手が私に「緊張するな」と言っていた。本当に感心した。良い身体条件も持っている。500mだけでなく、他の種目でも強い選手になってほしいと思う。
―引退ニュースが伝えられて、韓国の選手たちから連絡をもらったか。
韓国の選手より外国の選手たちからメッセージをたくさんもらった。韓国の選手たちは引退関連だから、お祝いともいえず、困り果てていたようだ。奈緒とスベン・クラマーから最初に連絡をもらった。今日公式発表をしたので、多くの連絡が来るようだ。
―明日、一番したいことは?
楽に眠りたい。平昌が終わって「アラームをオフにしてゆっくり眠ろう」と思ったが、それは数日だった。引退式をすると決めたら、眠れなかった。もう引退を発表して選手イ・サンファは消えた。一般人イ・サンファに戻って、小さな幸せを享受したい。
―最高の選手になるためには、何が必要だと思うか。
大変だからとあきらめる人が多い。私は「あの子もできるのに、なぜ私にはできないの?」というマインドに臨んだ。できないことをできるように、努力した。