リオネル・メッシのもう1つの武器は、フリーキックだ。
メッシは今季、フリーキックで8得点をあげた。5月2日、リバプールとのチャンピオンズリーグ準決勝・第1戦でも、素晴らしいフリーキックで追加点を記録した。20m前後の距離から放たれるメッシのフリーキックは、世界で最も驚異的だ。“フリーキックマスター”という表現も惜しくない。
【関連】世界で最も高価な自家用ジェットを持つサッカー選手ベスト10
ただメッシは、もともとフリーキックが上手かったわけではない。デビュー当初はドリブルとスピードに突出した選手だった。ところが、いつからフリーキックに目覚め、メッシのもう1つの武器となった。
メッシが“フリーキックマスター”となった背景には、ディエゴ・マラドーナがいる。英メディア『デイリー・メール』の5月3日(日本時間)の報道によると、アルゼンチンのフィットネスコーチ、フェルナンド・シニョリーニが自叙伝を通じて、マラドーナがメッシのフリーキック力を向上させるために決定的な役割を果たしたエピソードを紹介した。
2009年2月、メッシが20代前半だったときの話だ。アルゼンチン代表はフランス・マルセイユでフランス代表との親善試合を控えていた。メッシは練習中、ハビエル・マスチェラーノ、カルロス・テベスとシュート練習を行った。メッシは自分のシュートがゴールバーを超えると、失望したように頭を下げてドレッシングルームに向かった。
そのときシニョリーニはメッシに「もう一度やってみてはどうか?」と提案し、当時監督だったマラドーナは彼らの会話を聞いていた。マラドーナは、練習場のメッシに助言した。
マラドーナは「あまり急いではいけない。ボールは君がどこに蹴るかわからないので、キックをじっくりしなければならない」と、何度かお手本を見せた。マラドーナのシュートは、いずれもゴールの隅に飛んだ。そしてマラドーナはメッシに、キックの秘訣を伝授した。
その日以降、メッシはチームトレーニング後のシュート練習を自分のルーチンにした。最終的には“フリーキックマスター”と呼ばれることになった。
マラドーナがアルゼンチンを導いた当時、さまざまな論争が絶えなかったが、少なくともメッシが大きな助けをもらったことだけはたしかなようだ。
前へ
次へ