最近のMLBはいつにも増して積極的に有望株の育成を進めている。以前とは異なり、マイナーリーグを占領していた有望株のフリーエージェント(FA)資格を遅らせるためにわざとメジャー昇格を遅らせることも減った。
ナショナル・リーグで新人王争いをしているピート・アロンソ(ニューヨーク・メッツ)とフェルナンド・タティス・ジュニア(サンディエゴ・パドレス)も開幕戦からエントリーに名前を挙げた。タティス・ジュニアのような、過去には少なかった満20~21歳のメジャーリーガーがぐんと増えた。
若い選手たちが機会を得るほど、ベテラン選手の出場時間は減るもので、チュ・シンスも強烈な世代交代の波にさらされている。
地元マスコミによるトレードのデマは絶えず、スプリングキャンプの度に役割が縮小されるという見通しが出ていた。
しかし、チュ・シンスは実力で自分の価値を証明している。昨年、現役選手最多連続出塁(52連続試合)記録を立て、初のオールスターにも選ばれ、今季も“出塁マシン”の名声をそのまま続けている。
各部門の記録だけを見ても、チュ・シンスの価値がはっきり表れている。
アメリカン・リーグ打撃部門の上位10位に上がっている打者の中で、満35歳以上は7位に位置したチュ・シンスが唯一だ。チュ・シンスを含めて4人が30代、6人は20代だ。ちなみに30代4人のうち、チュ・シンスを除けば30代前半だ。
アメリカン・リーグの出塁率上位10位も似ている。満35歳以上は6位に位置したチュ・シンスと10位のネルソン・クルーズ(ミネソタ・ツインズ)しかない。半分以上が20代だ。
目線をKBOリーグに移せば、チュ・シンスの活躍はさらに凄いことになる。