招集初日から最終日まで、“末っ子”を思いやった。
「若い選手たちに過度な関心が集まるのは、悪影響になることがある。メディアもファンも僕たちも、彼らの成長を見守って楽しめばいい。楽しむことが、僕たちが一番するべきこと」
去る3月18日、坡州サッカー代表チームトレーニングセンター(NFC)に合流したソン・フンミンがイ・ガンイン、ペク・スンホなど招集された若手選手たちを念頭にして残した言葉だ。
同じようなコメントは、3月26日にも出た。ソン・フンミンは、ソウルワールドカップ競技場で開かれたコロンビアとの親善試合(2-1で韓国の勝利)が終わった後、ミックスゾーンで記者の質問に答え、若手選手に対する過度な関心を減らすように頼んだ。
イ・ガンインとペク・スンホは3月22日のボリビア戦に続き、コロンビア戦にも出場できず、代表デビューは先送りとなった。ソン・フンミンはその質問が出ると、「招集インタビューのときに申し上げた。その話を再びしたくはない」と語気を強めた。
続いて「韓国サッカーをリードしていく大切な弟たちだ。もちろん今回出場できなかったことは残念かもしれない。しかし長い目で見なくてはならない。過度な関心ではなく、静かな応援が必要だ」と強調した。
ソン・フンミンは、多くの関心のなかで成長してきた選手だ。
2010年にドイツのハンブルグでブンデスリーガ・デビューゴールを決めてから、大きなスポットライトを浴びた。当時ソン・フンミンの年齢は満18歳。法的に成人になる前だった。今のイ・ガンインと似たような時期だ。
それ以降、ソン・フンミンがキャリアを積むごとに、彼に対する関心は増加した。増えたのは応援だけではない。批判の声も増加した。スランプに陥ったときは、悪質なコメントにも苦しめられた。それは今現在も進行形だ。
だからこそソン・フンミンは、イ・ガンインが置かれた状況を誰よりもよく知っている。
関心と応援は選手の成長に役立つが、いずれも過度に大きくなると選手の負担になる。高いパフォーマンスを見せられなければ、容赦ない批判が飛ぶ。若い選手たちが耐えるには重荷だ。
韓国代表のキャプテンを務めるソン・フンミンは、今回のAマッチ期間を通して、“末っ子”のメンタル面の安定に特に気を使っていた。練習場では彼らがリラックスできるように、親しい兄としてイタズラするような姿も見せた。
しかしカメラの前に立ったときは、断固とした口調で若手選手を守るために声を上げた。自らの経験を土台にした言葉だっただけに、より強い説得力を持っていた。
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