韓国で深刻なPM2.5による大気汚染。Kリーグは中止できてもACLは難しい理由

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ACL規定で試合のキャンセルが可能な不可抗力(Force Majeure)条項に含まれた事項は、酷寒の天気と洪水、落雷、暴風、火災、爆発、地震、建物の被害、伝染病、その他の自然災害、競技場の電力供給異常、戦争、テロ、軍事作戦、暴動などとなっている。

だが、PM2.5は不可抗力事項に該当しない。自然災害にPM2.5が含まれた場合、試合取り消しを議論することができるが、その確率は低い。

ただ、アジアサッカー連盟(AFC)は共通マニュアルを作ってACL運営の参考にしている。同マニュアルによると、大気汚染指数が200マイクログラム/m3を超えた場合、大会メディカルオフィサーが監督官と話し合って試合を中止することはできる。

しかし、AFCから派遣するメディカルオフィサーがACLの試合に出席する場合はほとんどない。アジアカップや年代別代表のチャンピオンシップのように、一つの場所に集まって集中的に試合を行う大会にはAFC公式メディカルオフィサーがいるが、ACLはアジア全域で同じような日時・時間帯で開かれるため、派遣が事実上不可能であり、代わって試合を開催するクラブに諸般事項を一任している。

また、Kリーグが微細ホコリ(FineDust)を特定するのとは異なり、AFCは大気汚染指数を規定する。つまり、国際的な基準が統一されていない状態なのだ。

さらにACLは他の大会に比べて中止が難しい。国内チーム間の試合ではないだけに、再び日程を調整するのは事実上不可能だ。大半が飛行機で移動し、テレビ中継もあるので、中止となると金銭的な損害も大きくなる。

もし、ACLがKリーグのように正確な微細粉塵規定を作って頻繁に試合が中止されれば、大会全体に大きな支障が生じかねない。中国と東南アジアの一部の国々は、韓国に劣らず大気汚染の状態が深刻であるため、頻繁に試合が中止になってしまう可能性もある。

AFCの監督官も務める韓国プロサッカー連盟のチャン・ホグァン経営企画チーム課長は「現実的にACLの試合がPM2.5によって中止になる可能性はほとんどない。韓国ではPM2.5に対する深刻さをはっきり認識しているが、他国に行ってみるとまだ韓国ほどではない」と説明した。

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