そもそも「クォリファイング(Q)シリーズ」(上位45位タイまでの選手に来季出場権)をトップ通過したイ・ジョンウンだけに、そのデビュー戦には大きな関心が集中した。
デビュー戦「ISPS HANDA オーストラリア女子オープン」の初日をイーブンパー、二日目をノーボギーの3アンダーとしたイ・ジョンウンは、三日目に6バーディー、1ボギーの5アンダーを記録して、一時は3位タイまで浮上した。大きな関心のなかでも乱れることなく、自分のゴルフを続けたわけだ。
しかし優勝争いに加わったことで、さらなるプレッシャーがかかった。
最終日の序盤は調子が出ず、8番ホールまで2ボギー。イ・ジョンウンは「最終日の朝は疲労のためか、コンディションが良くなかった。トレーニングのときに出たミスショットが最終日にも出てしまったが、原因はよくわからない」と話した。
そのままスコアが崩れてしまっても不思議はないが、彼女はそこから立ち直る。
9番ホールで初バーディーをとると、10番、12番ホールでバーディーを記録。最終日17番ホールまで3バーディー、3ボギーのイーブンパーと持ち直したイ・ジョンウンは、最終18番ホールで4mのパーパットを成功させ、見事にトップ10入りした。自らの不調と向き合いながら、キラーメンタルを発揮したわけだ。
乱れないショットの正確性は、数字でも証明された。オーストラリア女子オープンのパーオン率は81.8%(59/72)で、優勝したネリー・コルダ(アメリカ)の80.6%(58/72)よりも高かった。ドライバーとアイアンショットが乱れなかったという証拠だ。
いずれにしても、デビュー戦で米国女子ツアーでも通用することを証明したイ・ジョンウン。“キラーメンタル”を武器に今後も好成績を残せるか、期待が高まる。