イ・ガンインはマルセリーノ監督が多用する4-4-2に、最適化された選手ではないのだ。マルセリーノ監督は、左右にスピードのある選手を配置することを好む。デニス・チェリシェフとゴンサロ・ゲデスは、典型的なウィンガースタイルだ。直線的なプレーを上手にこなす。
イ・ガンインはその点で2人の選手に押される。だからといってイ・ガンインを中央に起用することもできない。4-4-2で中央を務める2人のMFは、攻撃だけでなく守備面でもチームに貢献する必要がある。イ・ガンインはまだ体力とフィジカルが完成していない選手だ。中央に置けば、チームのバランスが崩れる可能性がある。
結局のところイ・ガンインは、4-3-3や4-2-3-1のようなフォーメーションでこそ輝くことができる。ボールをキープして周りを生かす、プレーメーカースタイルだ。根本的に、マルセリーノ監督との相性が良いと見ることは難しい。
イ・ガンインがバレンシアに次シーズン、レンタルを要求したという報道もあったが、今シーズンは一度、チーム内で競争して出場機会を模索しなければならない。方法はひとつだけだ。トレーニングで良い姿を見せて、マルセリーノ監督が要求するプレーを消化することだ。出場機会が来れば、印象的な活躍をして存在感を示さなければならない。
バレンシアは現在、リーガ・エスパニョーラだけでなく、スペイン国王杯、そしてUEFAヨーロッパリーグまで並行しているため、出場選手を幅広く起用する必要がある。着実に準備すればイ・ガンインにも、ある程度の出場時間が与えられるはずだ。
1軍に入った以上、イ・ガンインはプロとしてポジション争いを避けることはできない。予想よりも少し早く試練が立ちはだかったが、うまく乗り越えることができれば成長のきっかけにもなる。
イ・ガンインが試練にどう立ち向かうのか、注目だ。