一時は母国復帰も噂された韓国代表FWイ・スンウ(23)が、欧州でのプレー継続を選択した。新天地はプリメイラ・リーガ(ポルトガル1部)のポルティモネンセだ。
これまでスペイン、イタリア、ベルギーと欧州各国を渡り歩くも、主力争いで敗れてきたイ・スンウだが、今回こそ活躍を披露することができるのだろうか。
ポルティモネンセは今シーズン、第16節まで終えて4勝3分9敗の勝ち点15で18チーム中13位に位置している。チームは今冬の移籍市場で攻撃陣の補強が急務だったが、獲得を狙っていたゴンサロ・プラタ(20、スポルティングCP)との交渉に失敗したことでイ・スンウにシフトチェンジした。
ポルティモネンセの悩みの種は得点力だ。第16節までのゴール数は「13」と、試合当たり1ゴールにも届かない“貧攻”に苦しんでいる。
ファブリシオ(30)は15試合2ゴールにとどまっており、アンデルソン・オリベイラ(22)とアイルトン・ボア・モルテ(27)はともに15試合1ゴール。チーム最多スコアラーはここまで3ゴールのデネル(28)とベト(23)の2人だ。
また、ポルティモネンセはアジア人選手に親和的なクラブでもある。
現在は元柏レイソルの中村航輔(25)に元鹿島アントラーズの安西幸輝(25)と、2人の日本人選手が所属。昨シーズンからポルティモネンセでプレーする安西は今シーズンここまで15試合に出場しているが、今冬に加入した中村は未だリーグ戦出場がない。
ほかにも、イラン人FWのジャファル・サルマニ(24)が在籍しているだけでなく、過去には中島翔哉(26、アル・アイン)や権田修一(31、清水エスパルス)もポルティモネンセでプレーした。
さらに今回、ポルティモネンセはイ・スンウだけでなく本田圭佑(34)も迎え入れた。6か月間の短期レンタルには1年延長のオプションも含まれているという。チームがこれまで多くの日本人選手を重用してきた点を見ても、本田とイ・スンウは潜在的なライバルとなり得る。
イ・スンウはポルティモネンセの獲得第1候補ではなかった。だが、彼の持ち味であるスピードを生かした猪突的な突破力に期待をかけているのも確かだ。イ・スンウにはサイドや中央から攻撃のチャンスを生み出す役割が与えられるものとみられる。
ポルティモネンセはアジア人選手に好意的で、攻撃陣の補強が切実だったチームだ。既存のフォワードは不振が深いことからも、主力争いの難易度がそれほど高いわけではない。こうした点を考慮すれば、イ・スンウにもチャンスは与えられるだろう。
果たして、イ・スンウは“三転四起”の末にポルトガルの舞台で結果を残すことはできるのだろうか。
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