#atarimaeni CUP、東海大が“ストーミング”で優勝。今川監督「積極的ボール奪取から勝利」

2021年01月23日 サッカー #玉昌浩
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1月23日、大学サッカーの今シーズン限りの全国大会『#atarimaeni CUPサッカーができる当たり前に、ありがとう!』決勝が行われた。

法政大学と東海大学の試合は、東海大学のセットプレーが続いた後半27分の左コーナーキック。キッカーの丸山智弘が左足で蹴ったボールを法政大学・城和隼颯がヘディングでクリア。そのボールを拾った高田悠がドリブルで縦に運び、切り替えしてゴール前にボールを送る。そのこぼれ球にいち早く反応した水越陽也がゴールネットを揺らし、東海大学が先制。この1点を守り抜いた東海大学が1-0で勝利を収めた。

試合後、東海大学・今川正浩監督は「法政大学さんが非常に質の高い攻撃力をお持ちだったので、劣勢になるのは重々承知していたが、その予想をはるかに上回る劣勢で押し込まれた。法政大学さんの技術とスピードに慣れていったような、慣れ切れていなかったような前半だった」と振り返った。

前半から真っ向勝負を図ったが、法政大学の技術力と攻撃が想像をはるかに超えていて行こうにも行けなかったとしつつも、「いつも通りに、もっと積極的にボール奪取に行こう。その自分たちのストロングポイントが消えると、攻撃にも入っていけない。今までまったくやれていなければ、今日だけやれと言われてもできないが、今までやれてきたゲームがあるのだから、そこをちゃんと思い出してやろう」と話して後半に入り、「積極的なボール奪取で、少しずつゲームのスピードにも慣れて、自分たちの良さをワンプレーずつ出してくれた」と評価した。

持ち味である守備から「少しペースが変わってきたなかで点を取ってくれて、最後粘ってという試合だった。振り返ってみると、東海大学が勝てるとしたら、こういうパターンかなという試合を選手がやってくれた」と試合を総括した。

このチームで鍛えた部分については、「今年のチームのなかで、自分たちが自信を持てるようなストロングポイントを見出そうとしたときに、今のチームの攻撃力を生かすとすると、よくサッカー界で言われる“粘り強い守備とそれを生かす走力”」だったとし、「そういうひたむきな部分は、去年からベースとなるものがあったと分析していた。個人でやる守備、グループでやる守備、チームでやる守備を練習した」と話した。

さらに、「自分で一生懸命やっていないと思ってプレーしている選手はたぶんいないと思うが、神奈川県リーグから関東リーグに戻るなら、この速さとか、こういう連続性が必要だよなということを練習のなかで刷り込んだ。選手がやっている以上の速さや反復性を要求し続け、選手もそれを受け入れてくれた。繰り返しやっていくなかで、粘り強い守備」が身に付き、「でもこの守備を90分やるなら、こういう走力も必要だよなというのも理解してくれて」走力も鍛えたという。

また、「上手くいかないとき、かみ合わないときも当然あった」とし、「それを『アミノバイタル®』カップから始まった公式戦も含めて、上手くいくときはこういう風になるんだなという練習の追求度と公式戦での達成感、勝利とがかみ合って、全国大会においても当然完ぺきではなかったと思うが、そういったところが強豪チームと対戦するうえで、自分たちが自信を持ってできるようになるものに、自分たちで仕上げていってくれたような気がする」と語った。

東海大学・面矢行斗も試合を振り返り、「前半立ち上がりからずっと相手にペース握られる状況が続いたので、クロス対応などで、焦れずになんとかゼロで終わろうとした。ハーフタイムに修正するところをみんなで確認して、後半立ち上がりから、勢いよく迷わずに連動してプレスをしていくところを軸にした。それができたのでセットプレーなど、自分たちの試合の時間になった。それで1点取れて最後まで守り切って、いい内容のゲームができたと思う」と話した。

前半について、「立ち上がりからどんどん前に行ってはがされていたが、それでも前から行くことをやめずに、はがされたあとでもしっかり戻って4-4-2を整えるところは、試合に入る前から確認してやっていた」と続けた。

ハーフタイムには、前半に「迷いがあるところ、そこで一歩二歩遅れてプレスが甘くなった。また、法政の7番、9番が浮いていたのでそこにもっと強くいくこと。強くいく代わりに背後のケア、チャレンジアンドカバーのところは徹底していけるようにしようと再確認した。前の選手には、勢いをもって後の選手を信じて、本気でプレスをかけにいってくれと伝えた」とし、後半は「自分たちの流れになったので良かった」と説明した。

ストーミングのサッカーで勝ち上がったことについて、「今年J3からJ2に上がった2クラブもポゼッション率が下から2番目、1番目のチームだった。ドイツのサッカーもそうだが、そういう強さがある。日本がそうであるだけで、海外や今年のJ3からJ2に上がったチームのサッカーを見ていると、ポゼッションに対してもストーミングのサッカーが通用する。戦えるというところはわかったので、そこに自信を持ってやれたのは良かった。そういうサッカーで勝てたことについて、大会中に話していたのは、ポゼッションとかボールを回す相手に対して、自分たちのストーミングでどんどんそれを覆していこうと言っていた。それを実現できてよかった。いい守備をすれば必ずといっていいほど、いい攻撃につなげられていた実績が、試合を進めていく中でもどんどん積み重なった。それでみんなが“なるほど”と納得した。いい守備からいい攻撃につなげて点を取るというところをみんなが納得して、そこに力を注げた」と振り返った。

(文=玉 昌浩)

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