韓国プロ野球のKIAタイガースが、投手ヤン・ヒョンジョン(32)残留のために動き出した。すでにフリーエージェント(FA)交渉のテーブルを1度設けており、1月19日には2度目の会合を予定している。
KIAのチョ・ゲヒョン団長は「ヤン・ヒョンジョンがいるかいないかで、マウンド運営に大きな違いが出る。マット・ウィリアムズ監督もヤン・ヒョンジョンの去就を毎日聞くほどだ」と述べた。
米メジャーリーグ(MLB)進出を打診しているヤン・ヒョンジョンは、アメリカ現地の状況悪化や昨シーズンの成績不振など、複合的な要因で足踏み状態にある。自身が設定したデッドライン(1月20日)も目前に迫っているなか、大した進展がない。KIA残留に重きが置かれる理由だ。
状況は去る2017年にFA資格を取得したときと似ている。
ヤン・ヒョンジョンは当時も海外進出を打診していたが、実現しなかった。KIAはチェ・ヒョンウ(37)獲得のためFA予算を使い、残留を選択したヤン・ヒョンジョンとは1年契約を結んだ。
当時のヤン・ヒョンジョンは高い年俸をもらうことで海外進出失敗の惜しさを補ったが、彼がチームの柱という点を考慮すれば、1年単位の契約はあまり良い形ではない。球団は同じミスを繰り返さないため、今年はヤン・ヒョンジョン残留の可能性まで念頭に置いて予算を設定したようだ。
カギは契約期間だ。国内最高のエースであり、球団のシンボルのような選手を単なる算法でアプローチするわけにはいかない。
ヤン・ヒョンジョンは「韓国プロ野球でプレーするならKIA以外の球団は考えていない。タイガースで投手と関連した各種記録をすべて更新してみたい。球団と選手、ファンが認めてくれれば永久欠番にも挑戦したい」と、常にKIAへの愛情を示している。
実力だけでなく人間性まで備えた“完成型投手”という意味で、ヤン・ヒョンジョンはエース以上の価値を持つ。位相にふさわしい待遇を球団でも熟考しなくてはならない。
去る2007年にKIAでプロデビューしたヤン・ヒョンジョンは14シーズンの間、一度も欠かさずマウンドに上がった。今後6年間、毎シーズンでマウンドに上がれば、タイガースの生え抜き史上初の20シーズン連続登板記録を立てることになる。
韓国プロ野球全体に目を向ければ、1989年に前身のピングレ・イーグルスに入団し、2009年に現在のハンファ・イーグルスで引退したソン・ジヌ(54)以来2人目の快挙となる。
KIAがヤン・ヒョンジョンと“20年の同行”を選択すれば、“レジェンドプロジェクト”の拡張も可能となる。ヤン・ヒョンジョンのタイガース20年史をまとめれば、ストーリーに飢えている韓国プロ野球にとっても良いだろう。
KIAのヤン・ヒョンジョン説得プロジェクトは、単なるエース確保を超えた壮大な計画となっている。
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