元韓国代表MFパク・チソン(39)が、Kリーグで本格的に行政業務に挑戦する。行き先はKリーグ4連覇中の全北現代モータースだ。
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全北現代の事情に明るい複数関係者によると、パク・チソンが全北現代で行政家に変身するという。
クラブの経営や技術パートなど、全般的な業務をチェックし、アドバイスをする職責を担う予定だ。すでにクラブを訪問してホ・ビョンギル代表理事と会っており、近く公式発表がある予定だ。
とある関係者は「全北現代とパク・チソンが十分に共感し、すでに調整を終えた。近いうちにニュースを知らせられるだろう」と明かした。
2014年に現役を引退したパク・チソンは、2016年に国際サッカー連盟(FIFA)のマスターコースに合格し、スポーツマネジメントを学んだ。
FIFAマスターコースはスイス国際サッカー研究センター(CIES)が運営するサッカー行政教育コースで、現ガンバ大阪監督の宮本恒靖氏も修了したことで知られる。
パク・チソンは10か月間、イギリス・レスターのデ・モントフォート大学、イタリア・ミラノのボッコーニ大学、スイスのヌーシャテル大学で計3学期を過ごした後、2017年7月にコースを修了した。
2016年当時、パク・チソンはデ・モントフォート大学とのインタビューで「今後Kリーグで働く可能性もある」と明らかにしていたが、5年越しにその発言が現実のものとなった。
パク・チソンはこれに先立ち、国際サッカー評議会(IFAB)の諮問委員、韓国サッカー協会ユース戦略本部長などを歴任し、行政業務に携わった。ただ、特定のプロクラブで行政業務を担当するのは今回が初めて。パク・チソンは昨年に全北現代から提案を受け、苦心の末に受諾したという。
全北現代はパク・チソンの迎え入れを通じ、Kリーグの枠を超えアジア、世界的なレベルに跳躍しようとする構想だ。
パク・チソンは日本やオランダ、イングランドと海外で長い間活躍し、先進的なサッカーを経験した。さらにはFIFAマスターコース修了を通じ、行政知識も身に着けた。プロとユース、行政などにわたって幅広いノウハウがあるだけに、クラブの発展につながる肯定的な役割を果たすものと期待される。
来る2021シーズンに向け、全北現代はジョゼ・モライス前監督からキム・サンシク新監督体制に転換し、イ・ウンジェGKコーチ、キム・ドゥヒョン首席コーチらを迎え入れ、選手からコーチングスタッフまで隙のないラインナップを構築した。そこにパク・チソンまで加わることで、事務局の競争力も強化する形だ。
象徴的な面でも意味が大きい。パク・チソンは21世紀の韓国を代表する選手だ。2002年日韓W杯4強神話の主役であり、国際Aマッチ100試合に出場し、看板として活躍した。アジア人初のワールドカップ本大会3回連続得点記録も生んだ。2005年にはマンチェスター・ユナイテッド加入を通じ、韓国人初のプレミアリーグ進出の歴史を築いた。
その後、プレミアリーグで4回優勝し、UEFAチャンピオンズリーグとクラブワールドカップで1回ずつ王者に輝いた。立志伝的人物であるパク・チソンの合流は、全北現代は名門クラブとしての立地を強固にするうえで大きな力になるものとみられる。
パク・チソンの全北現代行きは、韓国プロサッカー全体の発展にも大きく役立つ見通しだ。韓国を代表するパク・チソンがKリーグ、そして全北現代の行政業務を受け持つということだけでも、話題になるには十分だ。
存在感や重みの面でパク・チソンの右に出る人物はいない。Kリーグの立場としては歓迎に値することだ。
江原FCのイ・ヨンピョ代表理事との出会いにも関心が集まっている。現役時代、パク・チソンとともに韓国サッカーを支えたイ・ヨンピョは、江原FCの代表理事に就任して以降、機敏で機知に富んだ動きで冬の移籍市場を主導し、サッカー界で好評を得ている。縁の深い2人はKリーグで行政家に生まれ変わり、興味深い正面対決を繰り広げる見通しだ。
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