1月10~11日、大学サッカーの今シーズン限りの全国大会『#atarimaeni CUPサッカーができる当たり前に、ありがとう!』3回戦が行われた。
1月10日、法政大学と流通経済大学の試合が行われた。試合は後半31分、長谷川元希がドリブルで運び、「相手の重心を見ながら足を出すタイミングをうかがってフェイクを入れて、今絶好調の飯島陸にラストパスを出し」(長谷川元希)、それを飯島陸が決めた1点を守り切った法政大学が1-0で勝利を収めた。
試合後、長谷川元希は「運ぶのは自分の特徴。パスのフィーリングが飯島と合うので、運んで2枚来たら飯島を見ることを心掛けていた」とゴールシーンを振り返った。
法政大学・長山一也監督は、「今年度の大学サッカーをできる状況を流経さんに作っていただいて、学生にも試合前にそういう環境を与えてくれている大学さんと試合できることに感謝しないといけないし、そこに勝って自分たちの大学サッカーの素晴らしさを見せられる状況を作っていこうという話をして試合に入った。流経さんも強いチームで、テクニカルエリアから見ていても、レベルの高い試合をしていた」と話した。
試合内容については、「守備のところでは相手のランニング、特にシャドーの選手の効果的なランニングへの対応をしっかりして、攻撃のところではアンカーの脇が空いたり、ラインがバラバラになるところを突きながら狙うところは、効果的にプレーできた。ビルドアップも高木がドリブルではがしてくれたり、特徴を生かしながらゲームを効果的に進められた」としながらも、「前半は最後のところでブロックを作ってこられたので、なかなかフィニッシュのところ、クロスのところで点を取るところまでのクオリティーがなかった」と前半を振り返った。
「後半は飯島陸が出たら点を取ってくれるかなというイメージがあった」という。先発した佐藤大樹も交代で入った飯島陸も「2人ともいいものを持っている。体の張り方が違うし、裏の抜け方、タイミングも変わってくる。流経さんのセンターバックの2人は強さもあったので、前半は佐藤大樹を使って背負わせたり圧をかけてダメージを与えて、後半は飯島陸がスルスルと抜けていく状況を作れて、イメージしていた通りになった」とし、飯島陸については、「サイズはないが佐藤大樹と前線での体の張り方、競り方が違うので、相手も戸惑っていた。特徴を変えながら相手の守備組織に少しずつ穴をあけることができた」と語った。
また、決勝点をアシストした長谷川元希について、「もともとドリブルの上手い選手だったが、効果的に得点に絡む運びで、リーグ戦の最後のほうでPKを取ったり、数字を残すことにつながるドリブルができるようになってきた。そこは成長を感じる」と評価した。
1月11日、桐蔭横浜大学と順天堂大学の試合が行われた。試合は前半33分、右からの最初のコーナーキックで、「ニアに引っ掛からないこと、キーパーが出られないボールを蹴ろうという2点を意識して蹴った」という杉山直宏のキックを、「ヘディングが当たっている感覚があった」と話す新関成弥がヘディングで決めた1点を守り切った順天堂大学が1-0で勝利を収めた。
試合後、順天堂大学・堀池巧監督は「今調子のいい、切り札的に使っていた新関成弥を先発で使って、立ち上がりから勝負を掛けた。こういう試合はリスタートが取れたら楽だという話もしていた」とし、「新関成弥はヘディング強い。ここ何試合かは守備も相当やってくれている」と評価した。
また、杉山直宏については「彼は今シーズン、相当アシストをしてくれている。リスタートで点が取れるのは順大の過去にないこと。リスタートで5年間分くらい取れている」とし、「トーナメントのなかで主導権を握ることを考えたら、リスタートは貴重」と述べた。
3回戦の試合結果は下記の通り。
法政大学 1-0 流通経済大学
早稲田大学 3-0 甲南大学
桐蔭横浜大学 0-1 順天堂大学
東海大学 3-2 日本大学
(文=玉 昌浩)
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