着実に実力を蓄えて最短コースを踏んだ。後進もすぐに後を追う見通しだ。
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サンディエゴ・パドレスと契約したキム・ハソン(25)に次いで、イ・ジョンフ(22、キウム・ヒーローズ)とカン・ベクホ(21、KTウィズ)が米メジャーリーグ(MLB)から注目を受けている。
胸に秘めた夢が現実となった。キム・ハソンは去る1月1日にサンディエゴ・パドレスと4年保障3900万ドル、最大5年3900万ドルの契約を締結した。
2014年のプロデビュー当時は身体能力だけが優れた細身の内野手だったが、地道なウェイトトレーニングでパワーと瞬発力を高め、2018年から3年連続でゴールデングラブ賞を受賞。打撃面でも研究を重ね、より簡潔で正確なスイング軌跡を描き長打力も伸ばした。
そんなキム・ハソンの成長をイ・ジョンフも間近で見ていた。2017年の入団1年目から1軍に定着したイ・ジョンフは、春季キャンプや遠征ではキム・ハソンとルームメイトを組んだ。
2人は近年、キウムの中軸として活躍した。イ・ジョンフがリードオフマンの場合はキム・ハソンが打点を挙げ、キム・ハソンが2番打者に配置されたときはイ・ジョンフが彼をホームに生還させた。韓国代表でも2人は上位打線に配置され、早期に韓国野球を代表する“ヤングスター”となった。
カン・ベクホも同じだ。彼も2018年の入団と同時に、KTを代表するフランチャイズ・スターとして期待された。入団初年度からカン・ベクホのユニホームは爆発的な販売量を記録し、本人もグラウンドの上でファンの期待に応えた。
こうした2人の活躍を、MLBが注視しない理由はない。
キム・ハソンが4~5年前から大きな関心を受けていたように、すでに相当数のMLB球団がイ・ジョンフとカン・ベクホのスカウトレポートを作成しているようだ。昨年に韓国プロ野球がアメリカ全域で生中継されたことからも、地元メディアの関心も高まっている。
韓国プロ野球を中継したESPNは「もしカン・ベクホが今すぐMLBのドラフトに参加すれば、第1ラウンドの上位で指名される可能性がある」とし、「未来のMLBスターを見たければ、KTの試合を視聴せよ」と主張している。
イ・ジョンフとカン・ベクホの最大の長所は年齢だ。2人ともプロ1年目から1軍で活躍し、勤勉に海外進出の資格を積み重ねてきた。
イ・ジョンフは2018年ジャカルタ・アジア大会の優勝で兵役が免除された。カン・ベクホもやはり、今後の国際大会に着実に参加することだろう。
このまま順調にキャリアを進めていけば、2人とも満25歳で太平洋を渡ることができる。リュ・ヒョンジンやキム・ハソンがそうだったように、イ・ジョンフは2023年冬、カン・ベクホは2024年冬と、大型契約が可能となる年にアメリカ行きの飛行機に乗るものとみられる。
MLBは労使協定の規約上、満25歳以下の海外選手がフリーエージェント(FA)契約を結ぶことができない。いくら実力が優れていても、25歳以下であれば最小年俸からスタートする。海外から来た満25歳以下の選手がFAになるには、ビッグリーグでフルタイム5年を消化しなければならない。
2017年のMLB進出当時、満23歳だった大谷翔平(26、ロサンゼルス・エンゼルス)の初年度の年俸は、MLB最小規模の54万5000ドルだった。リュ・ヒョンジンの年平均600万ドル、キム・ハソンの年平均700万ドルより極めて少ない金額だ。
MLB球団は若い選手を好む。リュ・ヒョンジンやキム・ハソンの獲得に積極的だったように、成長中の若手がピークに達する時期を確保することを望む。
シーズンを重ねるごとに完成度を高めているイ・ジョンフとカン・ベクホ。彼らに対するMLBからの関心は、今後さらに高まっていくだろう。
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