関東大学サッカーリーグ最終節、明治大学が2連覇!「昨年の優勝とは違う価値」と栗田監督

2020年12月20日 サッカー #玉昌浩
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12月15日、19~20日、「JR東日本カップ2020第94回関東大学サッカーリーグ戦」第18節延期試合と第19節延期試合、第22節の試合が行われた。

12月15日、駒澤大学と立正大学の第19節延期試合が行われた。試合は後半1分、12分と立て続けに立正大学の平松昇がゴールを決めて2点を先取。駒澤大学は中村一貴のロングスローから江﨑巧朗が決めるも、試合は2-1で立正大学が勝利を収めた。

試合後、立正大学・杉田守監督は勝因について「球際、運動量を常々言い続けている。試合を重ねてきて疲労もあるなか、選手が戦ってくれていたところと、決めるべきところで平松昇キャプテンが決めてくれたのは非常に大きかった。日頃やってきたこと、言い続けてきたところが成果となって出た」と話した。

続いて、桐蔭横浜大学と法政大学の第19節延期試合が行われた。試合は飯島陸の2ゴールなどで法政大学が4点をリードして前半を折り返す。後半、桐蔭横浜大学・水野颯太が2点を返すも、法政大学が逃げ切り4-2で勝利を収めた。

試合後、法政大学・長山一也監督は「相手の出てくる背後を飯島陸が狙い、つなぐところと背後をつくところ、3分の1のところでのクオリティ、そこに狙いをもって連動して、かかわる人数増やしていくことを求めて戦った。実際前半4つ取れたので、そこはすごく良かったが、後半イージーミスから自分たちで崩れていく状況があった。いいところと悪いところが、前半と後半ではっきりしたゲームだった」と振り返った。

12月19日、流通経済大学と拓殖大学の第22節が行われた。試合は流通経済大学が齊藤聖七、満田誠、佐々木旭のゴールで3点をリードして前半を折り返す。後半も先に加藤千尋が4点目を奪い、カウンターで1失点はするも、齊藤聖七が5点目を取り5-1で流通経済大学が勝利を収め、2部リーグ優勝を決めた。

試合後、流通経済大学・中野雄二監督は、試合を振り返り「学生も前節3-0から4失点で逆転負けといういい経験をした。昇格が決まった後で難しいゲームだったがそういう経験をして、くしくも今日も前半に3点入った。同じ状況のなかで同じ失敗を繰り返さないということを、テーマにしてやってきた。ちょうどいい形で後半も追加点を取って、なんとか一週間でそういうところを克服できたと思う」と話した。

また2部リーグ優勝を決めたことについて、「年間通して安定した試合をやってきたが、前期の方が苦しい試合も多かった。後期になって特にリーグ戦の最後は攻撃がすごくスムーズになって3点、6点と得点し、接戦というよりは差をつけられたと思う。そもそもサッカーはロースコアで決まるスポーツなので、1点差であっても戦った相手が“このチームには次やってもかなわない”という印象を、すべての場面で与えることができるかどうかということをテーマにしてきた。曺(貴裁)さんが、攻撃、守備、攻撃から守備、守備から攻撃の4場面を全部制圧しようというテーマで今シーズン始めたので、そういう面では最後に来て完成形に非常に近づいた状態でリーグ戦を終われた」と総括した。

さらに「あとは1月の全国大会でもっといい状態で最後を迎えたい。優勝したい」と続けた。

続いて、早稲田大学と法政大学の試合が行われた。試合は前半24分、ショートカウンターで法政大学・松井蓮之が飯島陸に縦パスを通し、飯島陸がそれを決めて法政大学が先制。そのまま前半を折り返す。後半33分にも右サイドからの田部井涼のクロスを長谷川元希が落とし服部剛大が決めて、法政大学が2-0で早稲田大学に勝利し、「#atarimaeni CUP」(全国大会)の出場権を得た。

また早稲田大学の敗戦により、明治大学の1部リーグ優勝が決まった。

試合後、法政大学・長山一也監督は、「勝つしか全国大会に出る権利を得られなかったので、勝ち点3をしっかりと取るというところと、早稲田さんには前期開幕戦で逆転負けしているので、そのリベンジしようという話をして試合に挑んだ」と話した。

チーム状況が良いなかでも、特に「松井蓮司がずば抜けていい。いまあのポジションで大学ナンバーワンといってもいいのではという状況になっている。ボールを取れるところ、アンカーとしての力強さはあったが、今日はフィニッシュのところも絡んでいっていたので、彼は今法政にとって欠かせない選手となっている」と評価した。

12月20日、明治大学と桐蔭横浜大学の試合が行われた。試合は前半7分に佐藤凌我のゴールで明治大学が先制し前半を折り返す。桐蔭横浜大学は後半13分に山田新のゴールで同点に追いつき、後半19分には山田新ペナルティエリア内でゴールに向いて切り替えしてゴールに蹴り込み鳥海芳樹がそれを詰めて逆転、後半22分には橘田健人のパスを受けた加々美登生がループシュートを決めてリードを広げる。

明治大学は後半23分の選手交代でフォーメーションを3バックに変えたことにより攻撃が活性化され、小柏剛が後半34分、後半42分にゴールを奪い同点に追いつき、3-3の引き分けで試合を終えた。

試合後、明治大学・栗田大輔監督は今日の試合を振り返り、「初めて肩の荷が下りた状態でリーグ戦の最終節を迎えられた。昨日優勝が決まっていたので、とにかく選手には勝って兜の緒を締めよ。そういうところをまずはしっかりとやること。守備は厳しく、攻撃は楽しく、うちは強い個人がクリエイティブに絡み合うサッカーをやろうということをコンセプトにずっとやっている。そういったものを自発的に自分たちで作れるように、試合中も選手に任せてやっていた」と説明した。

そして「先制までは良かったが、その後逆転されて、3-1になってからまた自分たちで自発的にこれではいけない、このまま終われなということで、またぐっとギアが上がって、結果3-3で終われたというのは大きかった。負けて優勝トロフィーをもらうのと、引き分けでもらうのは全然違う。欲を言えば勝ちたかった」と述べた。

またシーズンを振り返り、「今期は本当に難しいシーズンだった。昨年全部のタイトルを取って臨んだシーズンだったので、当然昨年との比較で選手たちは常にプレッシャーを感じながらのシーズン、プレッシャーとの戦い」であったとし、「二つ目がコロナで想定外のことが起きて、それはどのチームも同じだが、寮で2カ月くらいみんなバラバラになるなど、各自に任せられる時間が与えられて各自の自覚と責任みたいなところを追求された。チーム力や個人のチームに対するアイデンティティ、そういったものがすごく大事なシーズンだった」と難しさを挙げた。

続けて、「コロナで分散して戻るくらいから、今年は毎日の積み重ねがしっかりしているチームや、チームの総合力が試されるシーズンになるぞと言い続けた。それが結果として優勝で終われたのは、昨年の優勝とはまた違う価値。本当に選手が良くやってくれたし、本当に誇らしく思う。自信につなげていいのではないか」と選手を称えた。

さらに、「明治は来年100周年になるが、明治の100年のなかでも、2連覇をやったことがない。これで6回目の優勝になるが、2連覇するというのは今までやったことがないことを初めてやったわけで、ものすごく大きな一歩を踏み出せたと思う」と評価した。

また、「全体としては学連のメンバーや流通経済大学の皆さんがやってくれた。会場も流経が出してくれたり、流経の学生もいつもあの会場で運営をやってくれたり、本当にそういったところが大きかった。本当に感謝しないといけないというのを、改めて感じたシーズンだった」と話した。

第18節延期試合、第19節延期試合、第22節の試合の結果は以下の通り。

第18節
【1部リーグ】
明治大学 5-0 中央大学

第19節
【1部リーグ】
駒澤大学 1-2 立正大学
桐蔭横浜大学 2-4 法政大学

第22節
【1部リーグ】
早稲田大学 0-2 法政大学
順天堂大学 3-1 中央大学
立正大学 2-4 専修大学
駒澤大学 0-2 慶應義塾大学
明治大学 3-3 桐蔭横浜大学

【2部リーグ】
流通経済大学 5-1 拓殖大学
東洋大学 0-1 産業能率大学
東京国際大学 1-2 日本大学
神奈川大学 2-0 明治学院大学
日本体育大学 2-0 青山学院大学

(文=玉 昌浩)

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