韓国で2度目の自由契約選手(FA)の機会を得た元福岡ソフトバンクホークスのイ・デホ(38、ロッテ・ジャイアンツ)。
彼は現在、“契約条件”に関心を寄せられているようだ。
FAが公示されて3週目を迎え、相次いで大型契約が発表された後、小康状態に入っている韓国プロ野球のFA市場。
斗山(ベアーズ)発のビッグ3も新天地が決まり、若くない年齢で2度目のFAの機会を得たチェ・ヒョンウ(37)も、3年総額47億ウォン(日本円=約4億7000万円)でKIAタイガース残留が決まった。
こうしたなか、今後の去就に注目を向けられている選手はイ・デホであると言っても過言ではない。
4年前、イ・デホは米メジャーリーグ(MLB)のシアトル・マリナーズを退団し、4年総額150億ウォン(約15億円)でロッテのユニホームを着た。韓国プロ野球最大規模の契約だった当時のチェ・ヒョンウの100億ウォン(約10億円)契約を上回る金額で、国内に大きな驚きを与えた。
当時のロッテは前シーズンを10チーム中8位で終えていただけに、切実な補強だった。イ・デホは2001年のプロデビューから10年間プレーした2011年以来に古巣へと復帰した。
イ・デホはロッテファンの期待に応え、2017年、2018年と「打率3割」「30本塁打」「100打点」を連続で記録した。しかし、昨年と今年は成績が低迷。打率が2割台後半に落ち、本塁打も16本、20本と大幅に減少と、はっきりとした下落傾向を見せた。
すでに満38歳を迎えていることからも、イ・デホにかつての活躍を期待することも難しい。
一方で、今回3年47億ウォンの契約を結んだチェ・ヒョンウは違う。
チェ・ヒョンウはこの4年間、着実に自身の役割をまっとうしたと評価された。今年も打率0.354で首位打者に立ち、28本塁打、115打点をマークして4番打者の役目を務め上げた。「その技量は今も全盛期」という声も出ているほどだ。
また、イ・デホは他球団にとって魅力的な選手であるわけでもない。
イ・デホは今年から適用されるFA等級制により、B等級に分類された。B等級FAを獲得した球団は、保護選手25人以外の選手1人と年俸の100%、もしくは年俸の200%の前所属球団に補償しなければならない。
投資に比べ、確実なカードであるわけでもない。イ・デホはロッテを象徴するフランチャイズ・スターというイメージが強い。成績に関係なく他球団に移籍することも、ロッテがイ・デホをおろそかにすることも、いずれもぎこちなさが感じられるはずだ。
お互いに状況を知っているからか、ロッテ側もイ・デホ側も急ぐことはないという雰囲気だ。
ロッテのソン・ミンギュ団長は「FAについて話すことはない」と発言を控えているが、再契約のニュースが近く聞こえてくる見通しだ。
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