日本がアジアカップ決勝戦に進出した。今大会におけるパフォーマンスが高いとは思えなかったが、結局のところ再び優勝に挑戦できるチャンスを掴むこととなった。
日本は1月28日、UAEのアルアインで行われたアジアカップ準決勝、イランとの試合を3-0で完勝した。後半に3点を奪う集中力を発揮し、今大会最高の優勝候補を軽く退けた。
今回のアジアカップで日本は、満足のいく試合をしていなかった。グループリーグ3試合を全勝したものの、パフォーマンスは期待以下であった。初戦はトルクメニスタンを相手に3-2の辛勝。2失点で守備の不安が生じた。続くオマーンとの試合も、誤審に近い判定を得て1-0となんとか勝利を収めたかたちだ。ウズベキスタン戦でも失点を許しながらの勝利だった。
決勝トーナメントに入っても、日本の苦戦は続いた。16強サウジアラビア戦では、前半20分に先制したものの、その後は主導権を奪われて試合終了まで守備を強いられた。また準々決勝でも格下に見えたベトナムと対等な試合が続き、PKを得ての勝利だった。
それだけに準決勝で激突するイラン戦は、苦戦するかに思えた。しかし日本は真っ向からイランを下して、決勝に進出した。
幅広いローテーションが日本の勝利の原動力だった。日本の森保一監督は今大会を通じて、さまざまな選手を起用している。グループリーグ3試合、すべてに先発出場した選手が1人もいなかったほどだ。ゴールキーパーまで交代させるほど、積極的なローテーションを実行した。
その日の試合の戦力に支障が生じる可能性はあるが、選手たちの体力を考慮し、決勝トーナメントに合わせてパフォーマンスを引き上げる構想だった。決勝トーナメント進出後も森安監督は、守備ラインこそ固定したが、攻撃陣には変化を与えた。準々決勝で後半に途中出場した大迫勇也はイラン戦に先発出場し、2ゴールを決めた。柔軟な選手起用が作った勝利といってよい。
今大会、日本は実利を取るサッカーを行っている。もともと日本は、短いパスを通じて試合を展開させるスタイルにこだわるところがあった。しかし今回のアジアカップでは、急速なカウンターを試みたり、セットプレー、ロングボールを適切に活用したりしている。
イラン戦でも主導権を握ったわけではないが、迅速なカウンターで得点を奪った。3得点はすべて特有のパスを通じた展開ではなく、テンポの速いカウンターからのゴールだった。グループリーグで不安定だった守備も、決勝トーナメント3試合では無失点。一度も失点しないため、試合を有利に進めることができる。森保監督のもとで、結果を出す方法を習得しているようだ。
イラン戦の勝利で日本は、“アジアカップ最強者”であることを再び証明した。日本は過去7大会で、4度も優勝を占めた。1992年大会で初優勝を飾り、その後はアジアカップで最も強いチームとして君臨している。
今大会でも決勝に進んだ。優勝すれば、最近8大会で5度の優勝という圧倒的な記録を達成することになる。日本はカタール対UAEの勝者と決勝で激突する。
最も強力な優勝候補を下しただけに、優勝の可能性は十分だ。
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