【韓国女子ツアー2020年総括/中編】5冠達成、3年連続MVP…ツアーを盛り上げた女子ゴルファーたち

2020年12月10日 ゴルフ #韓国女子ツアー
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2020シーズンの韓国女子ツアーの主人公は、着実に自身の名前をリーダーボードの上段にキープし続けたキム・ヒョージュ(25)とチェ・ヘジン(21)の2人といっても過言ではない。

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アマチュア時代から卓越した実力で優勝を記録し、世間の注目を浴びてきた2人の選手は今シーズン、各大会で実力を遺憾なく発揮してきた。

5冠に輝いたキム・ヒョージュ

キム・ヒョージュは、2020シーズン3度目の大会であり、自身のスポンサーが主催する「第10回ロッテ・カンタータ女子オープン」で、延長戦の末にシーズン初勝利を獲得。

以降、毎大会で優勝の門を叩く有力な優勝候補に浮上した。

(写真提供=KLPGA)キム・ヒョージュ

新型コロナウイルス感染症の拡大を考慮し、2020年は韓国女子ツアーでのプレーに集中したキム・ヒョージュ。シーズン最後のメジャー大会「KB金融スターチャンピオンシップ」では、初日から最終日まで一度も首位の座を明け渡さないワイヤー・トゥ・ワイヤーの優勝でシーズン2勝目を手にした。

この優勝によって賞金ランキングで先頭に立ったキム・ヒョージュは、最後まで好調をキープ。結果、賞金王をはじめ平均ストローク賞、最多勝のほか、ファンがオンライン投票で選ぶ人気賞、ゴルフ担当記者が選ぶベストプレーヤートロフィーを受賞。圧巻の5冠に輝き、意味深い一年を終えた。

安定したショットで偉業達成のチェ・ヘジン

チェ・ヘジンは粘り強かった。シーズン序盤からトップ10入りを続け、何度も優勝の目前まで迫った。だが、いつも最終ラウンドで首位に届かず、物足りなさを感じさせた。

(写真提供=KLPGA)チェ・ヘジン

それでも、着実に上位グループでフィニッシュして積み重ねてきた大賞ポイントは、チェ・ヘジンの一貫した実力を証明した。彼女自身も、初勝利を得るために最後まで挑戦を続けていた。

「優勝なしに大賞を受賞することもあり得る」とも明かしていたチェ・ヘジン。そんな彼女は、シーズン最終戦の「SKテレコム・ホワイトキャップスチャンピオンシップ2020」で、念願の優勝を果たすことができた。

優勝トロフィーを掲げながら熱い涙を流したチェ・ヘジンは、3年連続大賞(年間MVPに相当)受賞という驚くべき記録を打ち立てた。

さらなる飛躍が期待される“怪物ルーキー”ユ・ヘラン

シーズン序盤から新人王争いで見せたユ・ヘラン(19)の勢いは、とどまるところを知らなかった。

(写真提供=KLPGA)ユ・ヘラン

ユ・ヘランは「第8回E1チャリティーオープン」で準優勝を果たすと、その後も新人賞ポイントを着実に積み上げ、新人王レースで首位に躍り出た。

そして、前年度王者として臨んだ「済州三多水マスターズ」ではワイヤー・トゥ・ワイヤーで優勝し、タイトル防衛に成功。歴代72ホール最少打タイの通算21アンダーを記録するとともに、歴代韓国女子ツアーで4番目の新人タイトル防衛記録も果たした。

ユ・ヘランは今シーズン、ただの一度もカット脱落を経験せず、すべての大会で優れた成績を挙げて新人王に輝いた。優勝以外にも準優勝2回も果たし、賞金ランキングでは堂々の2位につけた。

人性一度きりの新人王に輝き、華やかなルーキーシーズンを送ったユ・ヘラン。来シーズンのさらなる飛躍が待ち遠しいところだ。

生涯初優勝を達成した3人のゴルファー

今シーズンも、生涯初優勝や複数勝利の喜びを味わい、KLPGAウィナースクラブに名を連ねた選手たちがいる。

(写真提供=KLPGA)KLPGAウィナースクラブに加入したパク・ヒョンギョン(左端)、アン・ナリン(左から2番目)、イ・ソミ(右端)

まず、多くの関心の中で行われた「第42回KLPGAチャンピオンシップ」の女王に輝いたツアー2年目のパク・ヒョンギョン(20)が、2020シーズン初のウィナースクラブ加入者となった。

生涯初めて優勝トロフィーを掲げたパク・ヒョンギョンの勢いは衰えず、新設大会の「ISドンソ釜山オープン」でも優勝。最も早くシーズン2勝目を知らせた。

デビュー2年目にしてメジャー大会で生涯初優勝を果たし、“メジャークイーン”に加えて“多勝王”のタイトルまで手にしたパク・ヒョンギョン。来シーズンの活躍にも注目だ。

(写真提供=KLPGA)パク・ヒョンギョン

次に、ツアー後半戦で最高の実力を披露したアン・ナリン。

プロデビュー4年目のアン・ナリンは、正規ツアー出場93回目となった10月の「2020オーテックキャリアチャンピオンシップwith世宗フィールドゴルフクラブ」で、感激の初優勝の喜びを味わった。

そして、アン・ナリンが2回目の優勝を果たすまでに時間は要さなかった。

その1か月後に開催された「ハナ金融グループチャンピオンシップ」で優勝したアン・ナリンは、優勝賞金3億ウォン(日本円=約3000万円)とともに最多勝のタイトルも獲得した。

キャリアハイの活躍を披露したアン・ナリンは、韓国女子ツアー後半戦の興行を見事けん引してみせた。

(写真提供=KLPGA)アン・ナリン

“未完の大器”と呼ばれたイ・ソミ(21)も、ウィナースクラブに堂々と自身の名前を刻んだ一人だ。

イ・ソミはこれまで何度もチャンピオングループに属すも、最終ラウンドでプレッシャーに打ち勝てず自ら崩れていた。

それでもくじけることなく挑戦を続け、10月下旬の「2020 HUEN CARE女子オープン」で念願の生涯初優勝を果たすことができた。同世代ではチェ・ヘジンの活躍が目立つが、今後はイ・ソミの台頭にも注目したい。

(写真提供=KLPGA)イ・ソミ

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