12月5~6日、「JR東日本カップ2020第94回関東大学サッカーリーグ戦」第20節が行われた。
12月5日、関東学院大学と神奈川大学の試合が行われた。後半23分、増村有哉の左コーナーキックを安松元気がヘディングで決めて神奈川大学が先制。その1点を守り切った神奈川大学が勝利を収めた。
試合後、神奈川大学・大森酉三郎監督はチームについて「関東リーグに慣れだした」と評価し、関東リーグについて「ひとつの“このやり方でやるぞ”ということで、90分間マネージメントできるわけではない。相手も流動性があるなかで、うちも経験積んで、ある程度前からいくこともできるし、じっくり守ることもできるようになった。前期は関東リーグの速さのなかで、それを駆使するまではいかなかった。学生たちが基本的なことを組み合わせてできるように、頭のスピード、マインド、メンタルなどが、今年1年を通じて成長したのかなというゲームだった」と説明した。
続いて、日本大学と青山学院大学の試合が行われた。試合は前半18分、右コーナーキックのこぼれ球を日本大学・東憲也がボレーで決めて1-0で前半を折り返す。後半5分にも日本大学が右コーナーキックからPKを獲得し、大森渚生がPKを決めリードを広げ、11分、27分、28分にはすべて右サイドからの攻撃で荻原翼がワンタッチで決める。青山学院大学は後半40分に佐々木達也が1点を返すが、試合は5-1で日本大学が勝利を収めた。
試合後、日本大学・川津博一監督は試合について、「青学さんは降格したくないという思いが前面に出るゲームになるし、うちはこのゲームを落とすと、また残留争いに巻き込まれるという状況だった。外的要素、精神状態がものすごくゲームを左右するなかで、いつも通りのプレーをどちらがどのように発揮するかがポイントだった」と話した。
そして「ここ数試合、チームの立ち位置も含めて、自分たちのやりたいサッカーというよりも、相手のいいところを消しながらペースをつかんで、流れを読みながら自分たちのいいところを出せればいいということを積み上げてきた。前半、青学さんにペースを握られたが、後半は守備のはめ方を修正し、うまくはまった」と総括した。
12月6日、法政大学と中央大学の試合が行われた。試合は中央大学が前半6分に髙岸憲伸のゴールで先制し、33分には本間椋が相手キーパーのパスをカットし、そのままゴールに蹴り込み2点リードで前半を折り返す。
法政大学は後半開始から城和隼颯を投入し、流れをがらりと変えた。後半11分、平山駿のセンタリングが相手のオウンゴールを誘い、21分には田部井涼の右コーナーキックを佐藤大樹がヘディングで決める。続く23分には高木友也の左からのクロスを佐藤大樹が頭で合わせてゴールネットを揺らし、42分にはゴール付近で相手のパスをカットした佐藤大樹が決め、法政大学が4連続ゴールで試合をひっくり返す。中央大学は後半アディショナルタイム3分に坂本康汰が1点を返すも、試合は4-3で法政大学が勝利を収めた。
試合後、法政大学・長山一也監督は勝因について、「しっかりと今やらないといけないことを理解してプレーできた」ことを挙げ、「前半、ミスも含めて2失点してしまったが、クラスターが起きて、サッカーができないところから、できる状況になった喜びだとか、そういった経験がこの試合に生かされた。ハーフタイムもクラスターの件も含めて話をした。その状況からここまで来られたというのがあるから、これを悲観しないでできることをしっかりやろうと伝えた。苦しい状況を乗り越えて、いろんな方に迷惑をかけた分、いろんな人が関わっていることを学生も理解できた。支えてくれた人にサッカーで恩返しをするには、結果で恩返しするしかないということが理解できていた」と説明した。
続いて行われた明治大学と立正大学の試合は、後半16分に明治大学・杉浦文哉がPKを決めて、1-0で明治大学が勝利を収めた。
試合後、明治大学・栗田大輔監督は「勝ち点3を取れたのは良かった」とするも、「実際は4-0のゲームだったと思う。小柏(剛)が2本外して、佐藤凌我はゴール前でどフリーを外した。4-0が1-0だったから苦しくなったと」と課題を挙げた。
さらに、「“いいことしよう”とやっていても、結局いいことにはならない。やっぱり泥臭く明治らしくしないといけない。例えば小柏にしても、彼の武器は背後に抜けていくことであって、途中で受けることが彼の武器ではない。だから背後にどんどん抜けて得点を量産するということが、小柏が評価されているポイント。(プロ内定が)10人決まろうが11人決まろうが、今はとにかく明治で追求していることを実直にやり切ることが一番大事なことだと思う」と続けた。
また、「そのつながりのなかで大人のサッカーになっていったら、見ている人が喜んでくれる。“いいことしよう”とやっているときは、大胆さもなくなるし、面白くなくなる。まだまだ理想としているサッカーには程遠い。それについては選手たちがよく話し合って、残りの期間をやり切ってほしい。苦しんで終わるよりも、選手たちが自分たちの持っているものを全部発揮していくような1カ月にしたい」と話した。
第20節の試合結果は以下の通り。
【1部リーグ】
早稲田大学 1-1 慶應義塾大学
順天堂大学 0-1 専修大学
法政大学 4-3 中央大学
桐蔭横浜大学 3-1 筑波大学
明治大学 1-0 立正大学
【2部リーグ】
関東学院大学 0-1 神奈川大学
青山学院大学 1-5 日本大学
流通経済大学 6-1 東洋大学
東京国際大学 4-1 明治学院大学
立教大学 1-2 日本体育大学
(文=玉 昌浩)
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