ベント監督は変化し、新しい顔を模索すべきだ。
“59年ぶりのアジアカップ制覇”は、途方もない目標だった。パウロ・ベント監督体制発足後、初の本試験となった2019年UAEアジアカップで伏兵カタールに敗れた韓国には、3年後のカタールW杯出場のための大きな課題だけが残された。
国際サッカー連盟(FIFA)がワールドカップ出場枠の拡大を検討しているが、従来通りだとするとアジアの出場チケットは4.5枚。今回のアジアカップの結果は、韓国がワールドカップ出場さえ危ういことを証明した大会に他ならない。
特にベント監督の地に落ちた信頼とキ・ソンヨン、ク・ジャチョルなど“ロンドン世代”の退場は、韓国サッカーが乗り越えなければならない2大課題となった。
韓国は去る1月25日、カタールとのアジアカップ準々決勝に0-1で敗れた。2004年の中国大会以来、15年ぶりとなる最も悪い成績だ。韓国代表は予想外の8強脱落で、飛行機のチケットも購入できず、UAEで2日間滞在して1月28日に帰国する。
大会前、韓国は1960年以来の優勝という甘い夢に陥った。ロシアW杯のメンバーとジャカルタ・アジア大会のメンバーによるシナジー効果が生じ、ベント監督就任後はアジアカップ前の7試合を3勝4分と負けなしだったからだ。
しかし一部からは、これまでベント監督が率いたチーム、ポルトガル代表やクルゼイロ(ブラジル)、オリンピアコス(ギリシャ)、重慶力帆(中国)で相次いで失敗した点を挙げ、結局アジアカップを通さなければ本当の実力はわからないという意見が出ていた。
その懸念が現実になった。柔軟性のないベント監督は、相手チームの戦術によってまともな試合すら一度もできずにUAEを離れることとなった。イラン、日本、オーストラリアといったライバルとの対戦は、行われることすらなかった。その前段階であるカタール戦で、戦術と戦略において完敗した。
ベント監督がこれまで率いたチームで生じた問題が、今大会でもそのまま生じたということが、最も大きな問題だ。アジアカップで失敗したベント監督は、今年下半期に行われるカタールW杯のアジア2次予選と、12月に韓国で行われる東アジアシアンカップを介して自らの能力を証明しなければならない危機を迎えた。
昨年のような応援を受けられない状態で、ベント監督の戦術と選手起用の一つひとつが分析され、批判されるしかない。韓国サッカー協会監督選任委員会キム・パンゴン委員長も、ベント監督に対する度を超えた称賛をやめ、「運命共同体」との覚悟で彼の能力を再点検しなければならないと思われる。
世代交代の波を超えることも課題だ。