「慣行だったから、こんな問題になるとは思わなかった」
イ・デホ会長とキム・テヒョン事務総長をめぐる機密費支給騒動で、韓国プロ野球選手協会のずさんなシステムが露呈した。
“慣行”として長期間続いてきた選手協会の安逸な会計システムは、プロ野球選手の権益保護に努める選手協会の権威を自ら落とすブーメランとなった。
イ・デホ会長は12月2日、ソウルのホテルリベラで記者会見を開き、自身をめぐる疑惑について釈明し、質疑応答も行った。
主にはイ・デホ会長が自ら機密費を引き上げた疑惑に対する説明が主だったが、この過程で、選手協会の会計処理がずさんさが明らかになった。
2012年1月、選手協会は「機密費は必ずカードで決済し、証拠資料がない機密費については否認する」という決定を下した。
しかし、イ・デホ会長が受け取った機密費には、私的使用できる役員報酬レベルの給与と、公的に活用しなければならない業務推進費が含まれていた。また、これらは法人カードではなく、イ・デホ会長の個人口座に振り込まれた。一般的な会社の会計監査では十分に指摘される事項だ。
これについてチョ・ミン弁護士は「イ会長は、機密費が慣行上現金で支給されていると聞いていた。是正措置がなかったのは、会長を務めてから協会レベルでの引継ぎが足りなかったためとみている。今後は徹底的に是正措置を行い、新たな問題を生み出さないようにする予定だ」と明らかにした。
元はといえば、是正の機会は十分にあった。特に、イ・デホ会長が迎え入れたキム・テヒョン事務総長など外部の人物が、あらかじめ問題の素地がある部分をチェックして指摘していれば、今回の議論は起きなかったかもしれない。しかし、結局は皆が“慣行だ”という理由で放置し、同じミスを犯した。
イ・デホ会長は「私もその部分で心が痛い。選手協会が成功するために迎え入れたが、一緒にミスをしてしまった。今回の論争についての記事を読んで心苦しかった」と、複雑な心境を吐露した。
イ・デホ会長は「こんなことになるとは思いもしなかった。慣行通り受け取ってきたし、やってきた通りにしたらこのようになった。これまで同じやり方で続いてきたので、私もついてきたのだ。今後は、新しい会長と良い方向に是正することが重要だ」と述べた。
チョ弁護士は「これまではイ会長の機密費を税金処理したため、内部的にも給与だと認識してきた。今回の論争をきっかけに何が間違っているのかわかったため、直ちに是正措置を取る」と、改めて根深い慣行の撤廃を約束した。
また、機密費がいつから現金で支給されたのか、そして使用内訳についても、法律検討を通じて問題がなければ公開されることが明らかになった。
慣行という枠に閉じ込められ、これといった問題提起もなしに続いてきた選手協会のずさんなシステムが、今回の騒動によって明るみに出た。これからはどう是正するかが重要だ。
イ・デホ会長は「こうした形で退いては次の会長にも申し訳ない」と頭を下げた。
堕落した選手協会の権威を建て直し、明るい未来を描くためには、徹底した改善が必要だ。この機会に誤った慣行を正さなければ、選手協会の未来はない。
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