後半ロスタイムの劇的PK弾で1部昇格導いたアン・ビョンジュン「ここでゴールを決めてこそ…」

2020年11月30日 サッカー #Kリーグ
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「こういう場面でゴールを決めてこそ、本当に価値のある選手だと思った」

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かつて川崎フロンターレやロアッソ熊本でプレーしたFWアン・ビョンジュン(30・水原FC)が、後半ロスタイムの劇的PKゴールでチームを1部昇格に導いた。

11月29日、水原FC(リーグ2位)と慶南FC(リーグ3位)によるKリーグ2(2部)昇格プレーオフが行われた。試合は1-1のドローに終わったが、リーグ順位で慶南FCを上回る水原FCが、5年ぶりとなる悲願のKリーグ1(1部)昇格に成功した。

水原FCからはアン・ビョンジュンのほか、元栃木SCのGKユ・ヒョン(36)、元京都サンガF.C.のFW石田雅俊(25、登録名:マサマサ)、モンテディオ山形や清水エスパルスでプレーしたDFキム・ボムヨン(30)らも出場していた。

PKを成功させ表情が崩れるアン・ビョンジュン(左)​​​​​​

最高のフィナーレを演出

この日、水原FCは慶南FCに押し込まれる展開が続いた。前半26分に先制ゴールを許すと、その後も相手の決定的場面で失点するピンチが幾度も訪れた。

それでも、どうにか慶南FCの猛攻を耐え抜いた水原FCは、最後の最後にチャンスを得た。

後半ロスタイム、MFチョン・ソンホ(31)がペナルティエリア内で相手選手に倒されると、主審はVARによる確認の末、水原FCにPKを与えた。

主審がVARを確認している間、水原FCのPKキッカーを務めるアン・ビョンジュンは心の準備をしていたという。彼は試合後、インタビューで当時の場面をこう振り返っている。

「主審がVARを確認しに行ったとき、精神的に準備しなければいけないと考えた。こうした場面でゴールを決めてこそ、本当に価値のある選手だと思った。集中して蹴ろうとした」

決まれば昇格成功、外せば昇格失敗という場面なだけに、アン・ビョンジュンにはかつてないほどのプレッシャーがかかるしかなかった。

だが、今シーズンのKリーグ2で20ゴールを決めた得点王は大胆かつ冷静だった。アン・ビョンジュンは一度大きく深呼吸して助走をとると、右足でボールを強く蹴り込み、ゴールネット左を豪快に揺らした。

アン・ビョンジュンのPKの瞬間

「自分たちは前半からコンディションが上がらず、反応も遅れていた。むしろ、慶南の方が動きが良かった。先に失点を許したことで精神的に揺れる時間もあった」と振り返るアン・ビョンジュン。

「それでも、前半終了後のハーフタイムで“まだ大丈夫”と声を掛け合った。必ずゴールを決められると考えた。後半も内容的に良かったとは言えないが、ミスが出てもお互いに励ましあい、最後までやり切った。そして最後、劇的な幕切れで昇格に成功した。すごく嬉しい」と感無量の表情を見せた。

最高のフィナーレを演出したアン・ビョンジュンは、自身に高い評価を与えた。

最初は「80点をあげたい」と話していたが、「自分自身、満足できたシーズンだった。いくつかの試合でさらに発展しなければならないと感じる部分もあったが、それでも85点ぐらいはあげても良いと思う」と自身を称えた。

1部昇格に歓喜する水原FCの選手たち

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