全北現代モータースの自力による決勝トーナメント進出が事実上消滅した。
今シーズン、KリーグとFAカップの2冠を達成している全北現代は現在、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)グループHの3位にとどまっている。
グループステージ4試合を消化した時点で、勝ち点4(1勝2敗1分)にとどまっており、勝ち点9の1位横浜F・マリノス、2位上海上港(得失点差で横浜が上)とは大幅に引き離されている。全北現代の決勝トーナメント進出は非常に厳しい状況だ。
しかし、全北現代がベスト16に進出できる可能性は、わずかではあるがまだ残されている。
彼らが残りの横浜F・マリノス戦(12月1日)、上海上港戦(12月4日)の2試合で勝利し勝ち点10を確保したうえで、シドニーFCが上海上港戦(12月1日)、横浜F・マリノス戦(12月4日)のどちらかで勝利を挙げる必要がある。
現在首位の2チームどちらかが2連敗し、勝ち点9点で終われば、全北現代の逆転が可能となるのだ。
可能性が残されているとはいえ、これは簡単なミッションではない。全北現代はACL中断前の2月12日、横浜F・マリノス相手に2人もの退場者を出して完敗を喫している。再開初戦の上海上港戦でも、スタッツ上では優位に立っていながら敗れている。
全北現代はMFソン・ジュンホ(28)、MFイ・スンギ(32)、MF邦本宜裕(23)、DFイ・ヨン(34)、DFイ・ジュヨン(28)などチームの軸となる選手たちがケガなどで大量に戦線離脱。著しい戦力低下でまともにスカッドを組めない状況だ。
もう1つの問題はシドニーFCの敗退がすでに決まっているという点だ。決勝トーナメント進出が閉ざされたシドニーFCにとって、残り試合は単なる消化試合に過ぎず、モチベーションも見出せない試合だろう。
そもそも4戦3敗1分(勝ち点1)で1勝もできていないシドニーFCが、上位2チーム勝つことを期待するのは奇跡に近いものだ。
全北現代は今シーズン、Kリーグ1とFAカップで優勝を飾り、“シーズンダブル”を達成した。今シーズンを締めくくるため、ACL制覇で“シーズントリプル”という目標を掲げていたが、その道のりは早くも閉ざされそうになっている。
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