11月19~23日、ゼットエーオリプリスタジアムにて全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2020決勝ラウンドが行われた。23日には第3節が行われた。
2節を戦いそれぞれ1勝1分で、得失点差+5のFCティアモ枚方と得失点差+1の栃木シティFCの試合が行われた。引き分け以上で2位以上となるFCティアモ枚方。栃木シティFCは「勝つしかないというところで初めてこの試合、本来の力を出せた」(栃木シティFC・中村敦監督)という。しかし試合はスコアレスドローで終わり、FCティアモ枚方がJFL昇格を決めた。
試合後、栃木シティFC・中村敦監督は「予選含めて6試合の中で今日がベスト。これが本来のうちのサッカー。最後の最後でこれだけパフォーマンスを出しているのに、最後の試合で勝たなきゃいけないというプレッシャーで自分たちを追い込んでしまった。一歩違えば勝てる試合だった。運で片づけるのは駄目だが、力は出せたと思う。勝てなかったが、今日のゲーム内容自体は納得している」と述べた。
一方、JFL昇格を決めたFCティアモ枚方・小川佳純監督は、監督としてのJFL昇格へのモチベーションについて「(自分が)引退した初年度に監督のオファーをいただいた。そんなティアモへの恩返しがしたかった。チームの目標はJFL昇格であり、去年は最後の地決の予選で敗退して悔しい思いをした。その思いをしっかり背負い、昇格を決めることができた」と喜んだ。
続いて「指導歴が少ない、現役引退してすぐの選手が監督を務めても、JFL昇格という目標を達成できるということを証明できたと思う。その一例になりたかったし、この先、各クラブで引退した選手がすぐに監督に就任するという選択肢が増えてほしい。今の現役選手たちが辞めたときに、あの選手であれば監督も任せられそうだなど、そんな流れになってくれれば。自分がここで結果を残す意味は、そんなところにもあった」と語った。
さらに、「サッカー界でなかなかフォーカスされにくいカテゴリーだが、巻佑樹がGMになったり、僕が監督やったり、去年から野沢拓也さんと二川孝広さんが選手で入ったりして注目され、取り上げてもらうことが地域リーグの活性化につながると思う。いろんな意味でサッカー界に恩返しをしていきたいというなかの、最初のチャレンジだったので結果が出せてうれしい」と続けた。
また、このカテゴリーについて、「関西リーグからそうだったが、今年はコロナの影響があって、イレギュラーなシーズンになったが、真夏の昼2時に試合をしないといけないだとか、予選ラウンド3試合を3日連続で90分やらなきゃいけないだとか、どこ国のどのカテゴリーを見てもありえないようなレギュレーションで本当に過酷。もちろんうちにはJリーグ経験者もたくさんいる。ただ、いるからって勝てるリーグではない。関西リーグから難しいリーグだというのは感じさせてもらった」と話した。
「そのなかで選手たちは、仕事をしながらでも、どれだけ面白い試合や良いパフォーマンスを見せることができるかが、このカテゴリーの難しさでもあり楽しめるところでもあると思う。自分のなかでは、苦しい思いをしながらJFL昇格を勝ち取れるか。そこに楽しみ、モチベーションを持ってチャレンジしてきた。ティアモをJFLに昇格させて、全国に枚方という名前を皆さんに知ってもらうというのが一番のモチベーションだった。良いチームメイトと良いチームスタッフで、良いシーズンを送れたのでこれ以上何もいうことはない」と締めくくった。
続けて行われた北海道十勝スカイアースとFC刈谷の試合は、FC刈谷が3-0で勝利を収め、JFL昇格を決めた。試合後、FC刈谷・門田幸二監督は「自分が1年やって、まずJFL昇格という目標目的をしっかり持つ。あとはやるサッカーを徹底させる。そのことが勝てた要因だと感じている」と述べた。
一方の北海道十勝スカイアース・高勝竜監督は、「もう一回この舞台に立ちたい」とコメントした。
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