ACLでいよいよJリーグ勢と激突!Kリーグ4チームにグループ突破の可能性アリ

2020年11月27日 サッカー #ACL
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新型コロナの影響で延期されていたアジアチャンピオンズリーグ(ACL)が、11月18日から再開。Kリーグからは4チーム(全北現代モータース、蔚山現代FC、FCソウル、水原三星ブルーウィングス)が参加している。

例年とは異なり、実質的なオフの期間にわざわざカタールまで移動して試合を行わなければならないため、コンディションの低下は明白だ。

長かったシーズン終了後のため負傷者も少なくない。また、11月に韓国代表が行ったオーストリア遠征で新型コロナ感染者、濃厚接触者が多発。各クラブで代表選手が合流できないという問題も重なった。

様々な不運が重なったなか迎えたACL再開後の初戦。4チームの戦績は1勝2敗1分と低調だった。しかし、ACLで最多11度の優勝を誇るKリーグ勢の底力が、徐々に発揮されつつある。

守護神不在も勝負強さが光る蔚山現代

今シーズン、国内のライバルである全北現代にリーグとFAカップの両方で優勝をかっさらわれた蔚山現代の活躍が際立っている。

グループF第5節でFC東京と戦う蔚山現代は、11月24日(日本時間)の第3節でパース・グローリーFC(オーストラリア)を相手に2-1の逆転勝利を収めた。

ACL再開後、唯一2連勝を収めた蔚山現代は、勝ち点7(2勝1分)でグループF首位の座を守っている。11月の国際Aマッチ期間中、最多の4人が招集されていた蔚山現代は、守護神チョ・ヒョヌ(29)が遠征中に新型コロナ陽性判定を受けた。

さらに、MFウォン・ドゥジェ(23)、DFキム・テファン(31)、DFチョン・スンヒョン(26)たちも濃厚接触者と判定。さらに、左サイドバックのホン・チョル(30)も負傷してしまい、DFライン崩壊の恐れもあった。

しかし、11月21日の上海申花戦では若手のMFイ・サンホン(22)が大活躍。10番を背負うMFユン・ビッカラム(30)が2ゴールを決める活躍で、3-1の完勝を収めた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)キム・インソン(中央)

24日のパース・グローリー戦では、試合終了間際まで0-1と敗色濃厚だったが、後半44分にFWキム・インソン(31)、後半48分にはFWジュニオールと立て続けにゴールを決め、劇的な逆転勝利を見せた。

蔚山現代は今シーズンの試合で、先制ゴールを奪われながらも試合終了間際に逆転した試合は、これが初めてだった。国内で指摘されていた勝負弱さが、ACLという大舞台で解消されている。

離脱者が多かったDF陣も、2試合2失点とまずまずの結果だ。カタールでは国内シーズンの鬱憤を晴らすかのように、好調を維持している。

直前に監督代行を決めたFCソウル

新監督の招聘が遅れ、クラブ内でライセンスを持っていたイ・ウォンジュンスカウトを監督代行として登板させるという、場当たり的な人事を見せたFCソウル。こちらも代表に選出されていたMFチュ・セジョン(30)、MFユン・ジョンギュ(22)に加え、今季ヨーロッパから国内へと復帰したMFキ・ソンヨン(31)もコンディション不良で欠場となった。

今季ヨーロッパから国内に復帰した、FCソウルのキ・ソンヨン

中盤の軸を欠くなか、11月24日に行われたチェンライ・ユナイテッド(タイ)戦では、攻撃陣が奮起して5-0の大勝を見せた。21日の北京国安(中国)戦には1-2で惜しくも敗れたが、2勝1敗(勝ち点6)でグループEの2位につけている。

大勝したチェンライが格下だったとはいえ、チーム内の淀んだ空気を一掃するという意味では非常に価値のある1勝だった。

イ監督代行は「得点後もそのまま攻め続けるよう指示した。ピッチ上で常に自分たちのサッカーを貫こうと努力した結果だと思う」と、5得点の大勝でチームの雰囲気が一変したことに満足感をあらわした。

今シーズン3得点にとどまっていたFWユン・ジュテ(30)は、後半から途中出場すると2ゴールを決め、MOMに選ばれた。彼は「(今シーズン)これまでゴールをあまり決められていなかった。グループリーグは残り3試合あるので、じっくり準備して勝てるよう頑張りたい」と、グループリーグ突破へ意欲を見せた。

韓国国内では2冠だったが…

KリーグとFAカップで2冠を達成した全北現代も、徐々にではあるが復調の兆しを見せ始めている。

12月1日に横浜F・マリノスとの対戦を控えている全北現代モータースだが、現在グループリーグでは4戦1勝2敗1分(勝ち点4)で3位につけている。

全北現代は、今シーズン限りで引退を発表した“Kリーグレジェンド”イ・ドングッ(41)が、指導者ライセンス教習受講のためACL不参加となっており、精神的支柱不在の影響が大きいと見える。

今シーズンのKリーグ優勝トロフィーを掲げるイ・ドングッ(中央)

シーズン終盤にリーグとFAカップ2つの優勝を争っていた蔚山現代が、ACLでは全北現代の上を行っているという点は皮肉な話だ。

クラブ再建途中の水原三星

グループGでヴィッセル神戸と同組の水原三星は、ほか3チームとはまた異なる状況に置かれている。

同じくグループGのジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)が、マレーシア政府からカタールへの渡航許可が下りず棄権となったため、ヴィッセル神戸、広州恒大(中国)の3チームで2枠を争うこととなった。

現在ヴィッセル神戸が2戦2勝(勝ち点6)で単独首位。水原三星と広州恒大がともに2戦1敗1分(勝ち点1)で並んでいるが、得失点差で水原三星が暫定2位につけている。

元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(36)、現役ベルギー代表DFトーマス・フェルマーレン(35)らビッグネームを擁するヴィッセル神戸が、Jリーグでは振るわなかったものの、ACLでは素晴らしいサッカーを展開している。

広州恒大も元ブラジル代表アタッカーのMFアンデルソン・タリスカー(26)や、FWエウケソンらが揃った攻撃力の高いチームだ。

11月22の上海上港戦では、惜しくもスコアレスドローとなったが、スタッツではシュート数、パス成功率、支配率など軒並み上回っていた。

クラブOBであるパク・コンハ氏を監督に招聘し、名門再建を目指している水原三星にとって荷が重い相手ともいえる。比較的勝ち点が計算しやすかったジョホールが棄権したため、残りの全試合で気が抜けない戦いが続くはずだ。

ACL再開当初は各チームに懸念点が多く、期待値が低かったKリーグ勢だったが、蓋を開けてみると現状悪くない結果を収めている。今後も厳しい戦いが予想されるが、まだ4チームともグループリーグ突破の可能性が残されているだけに、今後に期待だ。

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