11月18日、21~22日、24日、「JR東日本カップ2020第94回関東大学サッカーリーグ戦」第10節延期試合、第18節、第11節延期試合が行われた。
11月18日、立正大学と早稲田大学の第10節延期試合が行われた。試合は後半20分に立正大学・青島太一が右サイドから上げたボールが相手のオウンゴールを誘い、立正大学が先制。しかし早稲田大学は後半41分、右サイドの西堂久俊のクロスを加藤拓己がヘディングで決め、さらに後半アディショナルタイム2分にも阿部隼人のシュートのこぼれ球を加藤拓己が詰めて逆転。2-1で早稲田大学が勝利を収めた。
試合後、早稲田大学・外池大亮監督は勝因について「最後まであきらめなかったこと」を挙げ、明治大学戦の敗戦から「勝つために我々がスローガンとしている“ドライブ”の姿勢を愚直に貫き、最後の最後まで一つひとつをこだわって、90分戦いきり、あきらめずにゴールを目指した」と語った。
11月21日には第18節、早稲田大学と順天堂大学の試合が行われた。試合は前半12分に順天堂大学が最初に得たコーナーキックを右コーナーから杉山直宏が上げ、ニアで大森真吾が頭でつないで小林里駆がヘディングで決め、21分にも杉山直宏の右コーナーキックから寺山翼がヘディングで決めた。さらに39分には、白井海斗がドリブルから大森真吾に預け、大森真吾が浮き球のボールを白井海斗に返し、白井海斗がそれをゴールに蹴り込み、3-0で順天堂大学がリードして前半を折り返した。順天堂大学の勢いは止まらず、後半26分には右から杉山直宏が直接フリーキックを決め、35分には白井海斗が右足を振り抜き、5-0で圧勝した。
試合後、順天堂大学・堀池巧監督は、杉山直宏について「サイドバックであろうとサイドハーフであろうと、いつも通り。キックの質が良いので今年、相当アシストしているし、今日フリーキックも直接決めた。フリーキックで直接というのは今回初めてで、ああいう場面がそれほど多くなかったから、そういう場面を作れたということがまず大事だった」と語った。
他にも、2ゴールを挙げた白井海斗については「間を取れる、サイド突破など、計算できる選手」であるとし、塩浜遼は「ツートップの役割や守備の部分でも」貢献したと述べ、寺山翼については「ワンボランチでだいぶハードワークしてくれた」と評価した。さらに「佐藤久弥もだいぶ良かった。一人ひとりが役割を果たしてくれた」とチームを称えた。
続けて行われた国士舘大学と専修大学の試合は、前半9分に棚橋尭士のゴールで国士舘大学が先制し、前半23分に専修大学・村上千歩が1点を返すも、前半42分に澁谷雅也が決めて、2-1で国士舘大学がリードして前半を折り返した。
しかし、専修大学が後半19分に鈴木龍之介の右コーナーキックから遠藤翔太がヘディングで決めて、同点に追いつく。さらに、後半32分にも村上千歩が決めて逆転し、後半アディショナルタイム3分にも鈴木龍之介の右コーナーキックから井上詩音がヘディングで決めて、4-2で専修大学が勝利を収めた。
試合後、専修大学・高崎康嗣監督は勝因について「後がないなかで戦っていたので、それが結果として選手の頑張りに結びついた。前半の悪かった部分を後半に修正して、自分たちで良くしたところが要因」と述べた。特に「村上千歩がよく頑張った。全員がある程度同じくらいやっているなかで、フォワードのワントップをやっている村上千歩が決めてくれた。フォワードが決めてくれるとゲームが締まり、勝利に近づけると改めて思う」と評価した。
11月22日に行われた流通経済大学と立教大学に試合は、前半13分に立教大学が大塚諒のゴールで先制するも、前半アディショナルタイム1分に佐藤響のクロスを仙波大志がヘディングで決めて同点で前半を終える。流通経済大学は後半5分に伊藤敦樹がPKを決めて逆転し、2-1で勝利を収めた。
試合後、流通経済大学・中野雄二監督は「仙波大志がヘディングシュート決める前に、シュートを浮かしてしまって、まだ前半なのにそのミスをものすごく悔しがっていて、“今日のこいつは点を取るな”という思いがあった。しかも仙波がヘディングシュートを入れることは体のサイズからいえば、あまりイメージできないが、前半の最後にちゃんと空中で我慢してヘディングで入れることができたことが、今日のゲームのすべてだった。前半0-1で終わっていると、かなり重苦しいまま後半に向かわなければならなかったと思う。あの同点ゴールですべてリセットできた」と評価した。
続けて行われた関東学院大学と産業能率大学の試合は、前半22分にセットプレーで城定幹大が上げたボールを石島春輔がヘディングで決めて産業能率大学が先制するも、後半アディショナルタイム4分に橋本丈のゴールで関東学院大学が1点を返し、1-1の同点で試合を終えた。
試合後、産業能率大学・小湊隆延監督は、「ハーフタイムに1-0で勝てるようになったら自分たちの成長につながるという話をしたが、最後の最後にまだまだサッカーの難しさがあった。それはサッカーだけじゃなく、オフザピッチのところなど、すべてがつながっていると思う。サッカーの神様が“もうちょっとお前ら頑張れよ”ということなのだと思った」と話した。
一方の関東学院大学・石村大監督は「ハーフタイムにもまったく悪いゲームではないし、やりたいこともできていると話していた。お互いの良さを出し合っているゲームなので、修正・改善しなければならないところは大きくはなく、良さを出し続けるだけのゲームだった」と振り返り、「勝ちにいかないといけないということを、選手もわかっていた。最後なんとかゼロで終わらずに、勝ち点1を取った。終わった後にあの勝ち点1が大きかったな、あの勝ち点1がなかったらと言えるように、残り4試合を戦うだけ」と語った。
11月24日には立正大学と筑波大学の第11節延期試合が行われた。試合は、後半21分に筑波大学が田嶋翔のゴールで先制するも、後半37分に青島太一がドリブルでPKを獲得しそれを自ら決めて、1-1の引き分けとなった。
試合後、立正大学・杉田守監督は「ミラーゲームとなったが、逆にはっきりして、組みやすくなった。我々は縦に速く、筑波さんはボールをしっかり動かして、後半途中も結構動かされてなかなかボールを奪えない苦しい展開となった。あれが筑波さんの特徴。お互い特徴を出し合ったゲームだった。勝ち点3を取れなかったのは残念だけど、それなりに力を出せたと思う」と述べた。
一方の筑波大学・小井土正亮監督は、「立ち上がりの5分くらいは本当に落ち着かなくて、やられてもおかしくないシーンが続いたが、そのあとは想定内で、立正さんのほうが連戦だし、こちらにフィジカル的なアドバンテージがあるので、後半勝負というなかで、点を取れたところまでは悪くなかった。もう1点決められれば終わらせられたゲームだった。自分たちのミスを、相手につかれてしまった。その辺はまだまだ甘い。妥当な結果だったと思う」と感想を述べた。
第10節延期試合、第18節、第11節延期試合の結果は以下の通り。
第10節
【1部リーグ】
立正大学 1-2 早稲田大学
第18節
【1部リーグ】
慶應義塾大学 1-0 筑波大学
早稲田大学 0-5 順天堂大学
国士舘大学 2-4 専修大学
桐蔭横浜大学 4-1 立正大学
【2部リーグ】
拓殖大学 3-0 東京国際大学
流通経済大学 2-1 立教大学
東洋大学 2-1 青山学院大学
神奈川大学 2-2 日本大学
関東学院大学 1-1 産業能率大学
日本体育大学 2-1 明治学院大学
第11節
【1部リーグ】
立正大学 1-1 筑波大学
(文=玉 昌浩)
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