アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でFC東京と同組の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)は、去る11月21日(日本時間)に行われたグループF第2節の上海申花戦を3-1で勝利した。
蔚山現代は今シーズン、KリーグとFAカップでいずれも準優勝に終わった。
しかし、ACL再開初戦では全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース、FCソウル、水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスらKリーグ勢の中で、最も安定した滑り出しを切った。
ACLに出場中のKリーグ勢は、どのチームもベストメンバーを組めずにいる。
国内2冠を達成した全北現代は、MF邦本宣裕(23)とDFイ・ヨン(33)が負傷でシーズンアウト。今シーズン限りでの引退を発表していたFWイ・ドングッ(41)はFAカップを最後にメンバーを外れた。
また、韓国代表に合流していたDFイ・ジュヨン(28)とKリーグMVPのMFソン・ジュンホ(28)は、代表チーム内でのクラスター発生を受け、Aマッチを戦ったオーストリアから直で韓国に帰国した。
相次ぐ不測の事態で各ポジションに穴が開いた全北現代は結局、22日のグループH第3節の上海上港戦で1-2と敗戦。ここまで3試合1分2敗と、グループステージ突破に黄信号が灯っている。
グループEのFCソウルも、韓国代表に合流していたMFチュ・セジョン(30)とDFユン・ジョンギュ(22)に加え、元韓国代表MFキ・ソンヨン(31)がコンディション不良のため招集メンバーから離脱。再開初戦は北京国安に1-2で敗れた。
ヴィッセル神戸と同組の水原三星は韓国代表に選ばれた選手こそいなかったものの、FWアダム・タガート(27)やキャプテンのMFヨム・ギフン(37)ら中心選手がACLに合流せず。再開初戦は広州恒大を相手に善戦するも0-0で引き分け、勝ち点1獲得にとどまった。
蔚山現代も完璧な戦力ではない。Kリーグ勢最多の4人(チョ・ヒョヌ、チョン・スンヒョン、キム・テファン、ウォン・ドゥジェ)を韓国代表に派遣した。
左サイドバックの主力ホン・チョル(30)もメンバーには入っているが、負傷を抱えている状態だ。
ただ、こうした主力不在の状況を厚い選手層がカバーした。
上海申花戦では、オーストラリア代表ジェイソン・デイビッドソン(29)と元韓国代表パク・チュホ(33)が左サイドバックの穴を埋めた。キム・テファンのいない右サイドバックにはチョン・ドンホ(30)が入り、自身の役割を遂行した。
そのほか、2列目では今季Kリーグでわずか1試合の出場に終わったMFイ・サンホン(22)が躍動。MFユン・ビッカラム(30)の2ゴール目をアシストする活躍を見せた。正守護神チョ・ヒョヌ(29)が新型コロナ感染でメンバーを外れたゴールキーパーはベテランのチョ・スヒョク(33)が代役を務めた。
蔚山現代は、いずれのポジションも控え選手の実戦不足に懸念が持たれていた。だが、上海申花戦の勝利でその心配も払しょくされたと言って良いだろう。
2試合1勝1分の勝ち点5でグループF暫定首位につけた蔚山現代は、本日(24日)午後10時からパース・グローリーと対戦。FC東京とは来る30日午後7時キックオフの第5節で激突する。
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