韓国女子バレーVリーグの興国生命スパイダーズに所属するキム・ヨンギョンが、11月15日に行われた韓国道路公社ハイパスとの試合で29得点を叩き出し、セットスコア3-1(15-25、25-22、25-18、25-22)での勝利に貢献した。
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興国生命は彼女の活躍で、Vリーグ女子初となる開幕7連勝に成功。開幕から負けなしの興国生命は、勝ち点19で首位を堅持している。
ここ数日、“女帝”キム・ヨンギョンは議論の中心となっていた。11月11日に行われたGSカルテックス戦、第5セットのデュースが続いた場面で、自分のアタックがブロックされるとネットをつかんで揺さぶるなどマナーの悪い行動を見せたのだ。キム・ヨンギョンはその試合の第2セットにもボールを床に叩きつけるなどの行為で、口頭での警告を受けていた。
一連の“非紳士的行為”に対して主審を務めていたカン・ジュヒ審判は、笛を鳴らさずに試合をそのまま進めた。そのため、韓国バレーボール連盟(KOVO)はこの場面を誤ったルール適用と判断し、主審に連盟の懲戒と制裁金を課した。
試合前、興国生命のパク・ミヒ監督は「あの試合の影響はない。大丈夫だ」と、騒がれている議論の影響はないという態度を示した。
一方、韓国道路公社ハイパスのキム・ジョンミン監督は「公平性についての議論が巻き起こる可能性をはらんだ問題だが、これほど騒がれるほどのことではないとも思っている。キム・ヨンギョンの立場もわかるし、審判の立場も理解できる」とし、「やりすぎだったのは事実だが、あのような勝利への意欲が今のキム・ヨンギョンを作ったともいえる。私はむしろ、我々のチームの選手たちにもそのような気概を持ってほしい」と、中立の視点で論争について語った。
前回から4日ぶりの試合となったキム・ヨンギョンはまだ動揺していたのか、第1セットではアタック成功率が14.29%でわずか1得点にとどまった。興国生命はアルゼンチン代表ルシアの負傷離脱に加え、キム・ヨンギョンも調子が上がらず打開策を見出せなかった。第1セットの序盤から点差は大きく開き、結果先制される展開となった。
しかし第2セットから興国生命の逆襲が始まった。キム・ヨンギョンは集中力を取り戻したのか、第2セットではアタック成功率を47.37%まで引き上げ、10得点を決めた。17-17の緊迫した展開のなか、4連続でアタックを成功させて21-17まで点差を広げた。この場面で試合の流れは完全に興国生命に傾いたといえる。
結局キム・ヨンギョンはその後も勝負所で得点を重ね、チームを逆転勝利へと導いた。
この日のキム・ヨンギョンは、第1セットを先取されながらも慌てず冷静だった。先制された第1セット、調子を上げ始めた第2セットでも彼女の表情に大きな変化は見られず、自分の仕事だけに集中している様子だった。
試合後キム・ヨンギョンは「最初のセットではうまくいかない部分もあったが、第2セットから試合の流れが変わっていつも通りのプレーができた」と満足感をあらわにしつつも、“非紳士的行為論争”については「その試合については充分話した。もうその件についての話はしたくない」と口をつぐんだ。
以下、キム・ヨンギョンとの一問一答。
◇
―調子が上がらず第1セットを逃した。
(11月11日の)GSカルテックスとのフルセットにわたる接戦のあとだったので、(体力的に)難しい部分はあった。練習してきたものが出せず雰囲気も良くなかった。それでも第2セットから試合の流れが変わり、いつも通りのプレーができた
―試合の流れが変わった要因は?
(リベロの)パク・サンミの戦う姿勢が雰囲気を明るくしてくれた。彼女がエネルギーを与えてくれて、試合の流れを変える助けとなってくれた。
―先制されながらも逆転できたことについて。
すべての試合が簡単ではないのは事実だ。(我々の)攻撃力は他のチームよりも突出している。(今のところ)勝負所や接戦で勝てているが、いつまで続くかはわからない。改善していかなくてはならない部分もある。
―連勝によるプレッシャーはあるか。
その心配はまったくない。いつかは負けるものだと思っている。もちろん勝つつもりで毎試合臨むが、私たちのプレーが良くないときは当然負けることもある。
―前回の試合で巻き起こった論争でいろいろと考えたようだが。
その試合については充分話した。もうその件についての話はしたくない。
―(次戦まで)1週間の休息が与えられるが。
試合が続いていたので大変だった。この1週間をどのように準備するかが重要だと思う。次の試合に向けて、しっかりと準備したい。
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