イングランド・プレミアリーグ(EPL)で活躍しているストライカーが激突する。
11月15日の早朝5時(日本時間)、オーストリアのシュタディオン・ウィーナー・ノイシュタットでは韓国とメキシコの国際親善試合が行われる。
それぞれのエースストライカー、ソン・フンミン(28、トッテナム)とラウール・ヒメネス(29、ウルヴァー・ハンプトン)は、現在プレミアで最も“ホット”なアタッカーだ。
2015年の夏にトッテナムへと移籍したソン・フンミンは、これまで5シーズン連続で2桁得点を挙げてきた。昨季はシーズン最多となる30攻撃ポイント(18ゴール12アシスト、得点とアシストの合計数)を記録し、自身初となる1シーズン2桁得点2桁アシストを達成するなど、名実ともにトップクラスの仲間入りを果たした。
そして今シーズンもここまでリーグ戦8試合8得点と大爆発している。得点ランクでもモハメド・サラー(28、リバプール)や、ジェイミー・ヴァーディー(33、レスター・シティ)らと並ぶに首位に立っており、まごうことなきワールドクラスのストライカーだ。
一方のラウール・ヒメネスは、2018年夏にポルトガルのベンフィカからウルヴァーハンプトンへのレンタル移籍でプレミアに参戦した身長190cmの大型ストライカーだ。ヒメネスはプレミアデビュー初年度からリーグ戦13ゴールを叩き出し、その結果を評価されてウルブズへの完全移籍を勝ち取った。
昨シーズンもリーグ17得点で得点ランク8位タイとなり、UEFAヨーロッパリーグ(UEL)でも10ゴールを決めるなど、シーズン計27ゴールを挙げている。プレミア3年目となる今シーズンもリーグ8試合で4ゴールを決めており、これからますますの活躍が期待されている。
ソン・フンミンとヒメネスはともにサッカー選手として脂の乗り切った20代後半で、ビッグクラブやギガクラブの獲得リストにも上がるほど価値が高騰しているストライカーだ。
彼らはこれまでプレミアの舞台で3度対戦してきた。チームの成績を見るとソン・フンミンのトッテナムが2勝1敗で勝ち越している。ただ個人成績で見ると、ソン・フンミンは2試合2アシストだったが、ヒメネスは3試合2ゴール1アシストを記録している。
またヒメネスは、ソン・フンミンが右腕の負傷で離脱していた試合(2020年3月1日)でゴールを決めており、3-2のスコアでチームを勝利に導いたことも。トッテナム相手の通算成績は4試合2ゴール2アシストとなっており、相性が良いようだ。
一方、代表戦では対照的だ。2018年ロシアW杯で韓国とメキシコが対戦したときはメキシコが1-2で勝ったものの、ソン・フンミンはフル出場でチーム唯一の得点を奪っている。その試合、ヒメネスはチームとしては勝利したがベンチで90分を過ごした。当時のメキシコ代表の前線には、マンチェスター・ユナイテッドでパク・チソンとチームメイトだった“チチャリート”ことハビエル・エルナンデスがエースとして君臨していた。
ヒメネスはロシアW杯以後、プレミアでの活躍をもとにメキシコ代表でもヘラルド・マルティーノ監督体制(2019~現在)でレギュラーを確保。直近の11月8日に行われたメキシコ対オランダの代表戦でも、PKで得点してチームを1-0の勝利に導いており、続く2-2のドローに終わったアルジェリア戦ではゴールこそ奪えなかったものの、チームの全ゴールをアシストしている。
今回ソン・フンミンとヒメネスは代表戦のピッチで初めて相対することとなる。2人のAマッチでの通算記録はソン・フンミンが87試合26ゴール、ヒメネスが84試合25ゴールと拮抗している。
また、ソン・フンミンにとってはイルビング・ロサーノ(25、ナポリ)も因縁深い相手だ。ロサーノとは2016年のリオ五輪で初対戦し、その試合ではソン・フンミンに軍配が上がった。当時OA枠(24歳以上の選手)としてオリンピック代表に選ばれていたソン・フンミンは、メキシコとのグループリーグ最終戦に先発出場し、1-0での勝利に貢献した。
また決勝トーナメントでも活躍し、韓国代表のベスト8進出の原動力となった。それから2年後、2人はロシアW杯の舞台で再び相まみえることとなった。
FIFAランキング(10月現在)は、メキシコが11位で韓国が38位となっている。メキシコは1994年アメリカW杯から2018ロシアW杯まで7大会連続でベスト16に進出している強豪だ。韓国代表とメキシコ代表の通算対戦戦績は4勝7敗2分で、韓国が大きく負け越している。
これまで負け越している強豪メキシコ相手と対戦する韓国代表。ソン・フンミンがクラブでの勢いそのままに、どこまで実力を発揮できるのか注目だ。
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