11月4日、7~8日、「JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦」第5節延期試合、第16節が行われた。
11月4日には、日本体育大学と産業能率大学の第5節延期試合が行われた。前半23分、相手キーパーがはじいたボールを城定幹大が詰めて産業能率大学が先制し、前半を折り返す。後半、河村慶人、弓削翼のゴールで日本体育大学が逆転するも、川名連介のゴールで産業能率大学が同点に追いつく。しかし、後半45分に日本体育大学の河村慶人が決めて日本体育大学が3-2で勝利を収めた。
試合後、日本体育大学・矢野晴之介監督は、チームが連戦の疲労などで「満身創痍」だったなかで勝ち点3を奪えたことについて、「みんなが諦めずにやるというところに僕はすごく感動していて、すごくうれしい。こういうことが自分たちにできるんだということを、よく覚えておいてもらいたい」と語った。
11月7日に行われた中央大学と専修大学の試合は、中央大学が前半9分の最初の右コーナーキックからの得点を皮切りに前半だけで6ゴールを奪い、後半2失点するものの、3ゴールを重ねて9-2で勝利を収めた。
試合後、中央大学・佐藤健監督は「最初の時間帯でのコーナーキックでゴールできたことでうちに波が来た。そこで取れたのが今日の一番の勝因」と振り返り、「両サイドの切れ味が良かった」とし、ずっと練習をしていたというサイド攻撃がゲームで出たことがチームとして良かったと評価した。
また、この日ハットトリックを達成した栗山且椰について、「高校の時から独特の雰囲気を持ったフォワードだった。うちにはいないタイプで、良いところに入っていくことができる。この間、立正大学戦に出してだいぶ見えてきたので、今日は何かやりそうだなというのはあった。今日は本当に殊勲選手」と称えた。
続けて行われた、桐蔭横浜大学と早稲田大学の試合は、0-0のスコアレスドローで終わった。この試合で勝ち点1を積み上げた早稲田大学は明治大学と勝ち点で並び、得失点差で首位に立った。
試合後、早稲田大学・外池大亮監督は「今日も非常にタフなゲームだった」とし、「新しいメンバーの熱いプレーもあったし、途中交代を含めてチーム全体で戦い、勝ち点3は取れなかったが勝ち点1をしっかり積み上げたことは誇らしいし、大きな進歩を遂げた」と振り返った。
首位に立ったことについては、「リーグ戦は積み上げていくもの。これまでやってきたことに意味があったと思う」と述べ、「今日、得点はできなかったが、前半から後半にかけて、もう一度ゴールを目指そうとし、そういう姿勢が特に後半30分を過ぎてから随所に見られた。戦える選手たちが増えてきたと思っている。無得点だったということに対して多くのメンバーが悔しさをにじませていたので、そういったところはこれからの可能性になると思う」と続けた。
さらに、得失点差で首位と入れ替わった明治大学を上回っていると思える点について「成長率」と答え、「個人個人が本当にたくましくなってきたと思うし、それはいろんなイレギュラーを乗り越えて、サッカーの部分だけではなくて、こういう状況の中で生活から、当然学生としての部分であったり、もちろん選手として1日1日を大事にして、負けた試合から逃げなかったというところが我々を強くしている」と説明した。
11月8日には東洋大学と日本体育大学の試合が行われた。試合は後半10分、野本幸太の左足でのゴールを守り切った東洋大学が1-0で勝利を収めた。試合後、東洋大学・井上卓也監督は「1-0のまま、我慢比べのゲームになった。片方では1-0という厳しいゲーム展開の中でも勝ち点3を取れたことをプラスに捉えたいが、2点目を取れなかった部分を改善しないといけない」とコメントした。
続けて行われた流通経済大学と東京国際大学の試合は、前半18分に師岡柊生のゴールで東京国際大学が先制するも、前半21分に齊藤聖七が左サイドの佐々木旭から受けたボールを中にコントロールして右足でニアに決めて、前半34分には左サイドの佐々木旭のクロスを満田誠がヘディングで決め、流通経済大学が逆転して前半を折り返す。流通経済大学は後半25分、左サイドから佐々木旭が放ったシュートが相手のオウンゴールを誘い、後半27分には加藤千尋が右足で決めてリードを広げる。後半34分に東京国際大学・有水亮がドリブルでファウルをもらい、流通経済大学の選手が陣形を整える前に右サイドにボールを送り、それを受けた宇高魁人が決めるも反撃には至らず。後半アディショナルタイム4分には相手キーパーのパスをカットした流通経済大学・熊澤和希が相手のオウンゴールを誘い、5-2で流通経済大学が勝利を収めた。
試合後、流通経済大学・中野雄二監督は「試合を重ねてきて、逆転勝ちも経験し、自分たちがやってきたことを信じあえるようになってきた。仮に先にミスをしてしまっても、動じなくなってきた。去年までだったら、ああいうところで崩れていって、結果的に良い内容だったのに負けるということを繰り返していた。去年の経験が今生きてきていて、プラスに作用していると思う。結果が出ていることもあるし、学年が一つずつ上がったのもあるし、いろんな面で成長してきた。チームとしても、個人としても、しっかりとプレーに表すことができている」と評価した。
今節の勝ち点3で首位に戻ったことについては、「残り6試合をすべて勝てば間違いなく優勝だし、昇格。1戦1戦テーマをもって今よりも強くなろう、上手くなろうということを呼び掛けている。将来がある選手たちなので、今のままではまだまだ駄目。自分たちのテーマを達成していきたい」とコメントした。
第5節延期試合、第16節の試合結果は以下の通り。
第5節
【2部リーグ】
日本体育大学 3-2 産業能率大学
第16節
【1部リーグ】
中央大学 9-2 専修大学
駒澤大学 5-1 順天堂大学
桐蔭横浜大学 0-0 早稲田大学
明治大学 0-1 国士舘大学
慶應義塾大学 2-2 立正大学
【2部リーグ】
産業能率大学 0-1 日本大学
立教大学 2-1 青山学院大学
東洋大学 1-0 日本体育大学
関東学院大学 3-0 明治学院大学
流通経済大学 5-2 東京国際大学
拓殖大学 0-0 神奈川大学
(文=玉 昌浩)
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