日本の中村太地が韓国プロバスケで出場時間が増えている“手放しで喜べない理由”とは

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日本人選手の中村太地が所属する韓国プロバスケットボール(KBL)の原州DBが、最悪の状況に陥っている。

【写真】韓国プロバスケの美女チアリーダー

イ・サンボム監督率いる原州は、11月3日に行われた高陽オリオンズとのアウェーゲームに61-73で敗北した。今シーズンは開幕3連勝で滑り出し好調かに思われたが、10月17日に行われた安養KGC戦を皮切りに、崖を転がり落ちるかのような怒涛の8連敗で泥沼にハマり、いつのまにか最下位まで転落した。

シーズン開幕前にはソウルSKナイツ、安養KGC人参公社と並びリーグ3強に挙げられるなど期待値が高かっただけに、非常に悔やまれる現状となっている。昨シーズンは新型コロナの影響で短かったとはいえ、ソウルSKと並んで同率1位となったチームがここまで急激に凋落するとは、誰も予想しなかったはずだ

原州が8連敗を喫したのは、イ・チュンヒ前監督が率いた2014年1月17日(2013-2014シーズン)以来、6年ぶりのこと。当時、原州はイ・チュンヒ監督が成績不振で退任したあと、14連敗まで不名誉な記録を伸ばした。14連敗でクラブ最多連敗記録を更新し、結局最下位でそのシーズンを終えた。

また、イ・チュンヒ監督は原州でシーズン中に2度の2桁連敗(12連敗、13連敗)を記録し、クラブ史上最多連敗記録という希代の不名誉記録を置き土産にシーズン途中で辞任した。

高陽オリオンズとの試合でレイアップシュートを試みる中村太地(写真右)

期待外れの外国人選手たち

今年の原州はシーズン序盤から“野戦病院”となっている。チームの主力センターであるキム・ジョンギュが足底筋膜炎で離脱、ベテランのユン・ホヨンも腰の故障で離脱した。

シーズン前に新加入した期待のフォワード、チョン・チュンウォンも同じく腰を負傷している。最近では手首の痛みをおして出場していたドゥ・ギョンミンが症状悪化で2週間程の欠場が決まった。負傷に悩まされた原州が連敗の沼にハマるのも、当然の流れだったのかもしれない。

しかし原州の問題は怪我だけではない。期待に及ばない外国人選手たちも問題だ。原州は昨シーズン1位に大きな役割を果たしていた外国人選手のチナヌ・オヌアクが、開幕直前に原州との契約を無断破棄したため、代替としてセンターのタイリーク・ジョーンズを急遽獲得した。

新戦力として期待されたジョーンズだったが、ファンの期待を見事に裏切った。ジョーンズの平均得点は11試合で8.9点と、KBL外国人選手20人のうち4番目に低い数字だ。

また、唯一の日本人選手である中村太地は11試合で平均得点7.0点と、外国人選手の中で下から2番目となっている。ジャスティン・ノックスが平均16.6点で最低限の役割を果たしていることだけが救いだ。

そもそもシーズン当初は出場時間の確保が難しいとされていた中村太地が、KBLデビューシーズンに主力としてコートに立たなければいないという異常事態がチーム状況を物語っている。

3連戦で浮上のきっかけを掴めるか

10月31日の仁川電子ランドエレファンツ戦での敗北で、6連敗目を刻んだ監督は「外国人選手がもう少し活躍できていれば、結果は違ったかもしれない。今は選択しなければならないときが来たようだ。(新戦力獲得に向けて)外国人選手を調べている。雰囲気を変えなければならない。外国人選手たちが自分の役割をしてくれなければ、韓国人選手の負担がさらに大きくなる」と述べた。

ただ外国人選手を新たに獲得したとしても、入国後の隔離期間とチームの選手たちと息を合わせる時間が必要である。監督は開幕時に今季の目標として「短期的な目標としては6強に入りしてプレーオフに進出することだが、目標に達するまでにリーグ戦でメンバー構成を固めて上位を狙いたい」と述べていた。

今後の原州は、11月7日に蔚山モービスフィバス戦、9日に仁川電子ランドエレファンツ戦、11日にソウル三星サンダース戦と、中1日で3連戦が待っている。ここで負の連鎖を断ち切れなければ、2014年以来の2桁連敗が待ち構えている。

イ・サンボム監督は厳しい台所事情のなか、試合に挑むためメンバー構成に苦心してきた。シーズンはまだ長く、浮上のきっかけを掴むためにもこの3連戦をどう乗り切るか注目だ。

また、異国の地で日本人選手として1人奮闘する中村太地は今のところ結果を残せていないが、不幸中の幸いというべきか離脱者が多いため出場機会は与えられている。その間に活躍することで、チームが正常化した時にもレギュラーとして常時出場できるよう頑張ってもらいたい。

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