毎シーズン、韓国Kリーグ終盤戦を盛り上げてくれる仁川ユナイテッドFCは、はたして降格を回避できるだろうか。
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仁川ユナイテッドはKリーグで“残留王”と呼ばれている。毎年のように下位で苦しみながらも、終わってみれば劇的に1部残留を決めてみせているからだ。
大邱FCや江原FCなど、Kリーグ1(1部)には地方自治体が主体となって創設された市民クラブが複数存在するが、仁川ユナイテッドだけは唯一2部に降格したことがない。
済州ユナイテッドや釜山アイパークといった企業クラブでさえ降格するなか、仁川ユナイテッドは粘り強く生命力を発揮して1部の舞台を戦ってきた。
そして、今シーズンも仁川ユナイテッドは残留を争っている。
仁川ユナイテッドは、去る5月にKリーグが開幕して以降、3カ月の間たった一度も勝利を挙げられず、ダントツの最下位に沈んでいた。同じく大差で下位に沈むようなチームがなかったこともあり、仁川ユナイテッドは順位表のなかでも大きな差を付けられた。
今シーズンこそ仁川ユナイテッドの降格が現実になる。そういった見方が大半だった。
それでも、やはり仁川ユナイテッドは“残留王”たるゆえんを見せつけた。
去る8月7日にチョ・ソンファン新監督が就任して以降、チームは復調に成功。3カ月間未勝利のチームが6勝を挙げ、最終節を迎える現時点で残留の可能性を残しているのだ。
前節の釜山アイパーク戦では、0-1のビハインドから後半に追い上げ、2-1の逆転勝利で勝ち点3を手にした。
現在、仁川ユナイテッドは勝ち点24。残留争いを繰り広げる釜山と城南FC(ともに勝ち点25)との差はわずかに「1」だ。
10月31日に行われる最終節で、仁川ユナイテッドはすでに残留が確定しているFCソウルと対戦する。一方、城南と釜山は同時刻に直接対決を戦う。
確率で見れば、仁川ユナイテッドが残留する可能性の方が高い。
仁川ユナイテッドは、ソウルに勝利して勝ち点27を得れば無条件で残留が決まる。たとえ城南対釜山の試合で勝敗が分かれたり引き分けになったりしようと、両チームのどちらかを引き離して残留ラインを越えることができる。
引き分けでも可能性はある。仁川ユナイテッドは多得点で釜山と同率、城南よりも2ゴール多い。また、得失点差では釜山に「+1」、城南には「+3」とリードしている。釜山対城南で敗れた側のチームと勝ち点で並べば、多得点や得失点差などの面で優位に立つことができる。
ただし、ソウルに敗れた場合は、多試合結果を問わず仁川ユナイテッドの2部降格が決まる。
逆転残留を狙う仁川ユナイテッドと同様に、是が非でも降格を避けたい釜山と城南の対戦も注目だ。
昇格1年目の釜山は、1部に復帰して早々逆戻りの危機に立たされている。前回の仁川ユナイテッド戦は引き分け以上で残留が決まる状況ながら、空しい逆転負けで降格圏に沈んでしまった。
元Jリーガーのキム・ナミルが監督として率いる城南も、2016シーズン以来4年ぶりの降格危機に陥っている。
はたして、最後に笑うのはどのチームになるだろうか。
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