イ・ドングッと全北現代のラストストーリー、Kリーグ初の4連覇でハッピーエンドとなるか

2020年11月01日 サッカー #Kリーグ
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「これほどハッピーなことはない」

全北現代モータースは11月1日にホームで大邱FCと今シーズン最終戦を行う。この試合で勝ち点をたった1加えるだけで、リーグ優勝が決まる。

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今シーズンは大邱に2勝しているだけに、全北の優勝は固いと見られている。勝ち点3差で現在2位につけている蔚山現代との試合を制したことで、全北の優勝への道のりは9合目を超えたとされている。大きな異変がない限り、今シーズンの優勝セレモニーは全北のホームタウンである全州で開かれる見通しだ。

最終戦の結果次第では、全北はKリーグ初となる4連覇という金字塔を打ち立てることとなる。過去には一和天馬(1993~1995)や城南一和天馬(2001~2003、ともに現城南FC)とともに3連覇がこれまでの最高記録だったが、今回全北が新たな歴史を刻むチームとなるかもしれない。

さらに優勝回数も通算7回で城南と最多タイに並んでいたが、8回目の優勝で単独1位に躍り出る可能性もある。名実共にKリーグ最強のチームとして記録される。

イ・ドングッと全北現代の幸せな関係

今回の優勝は韓国サッカーのレジェンド、イ・ドングッ(41)のラストタイトルという点でも大きな意味を帯びている。今シーズン限りでの引退を発表したイ・ドングッは、全北の“リビング・レジェンド”だ。彼は全北がKリーグ優勝トロフィーを掲げたすべての時をともにしてきた。

10月28日、引退会見を行うイ・ドングッ

リーグ発足当初は万年下位でKリーグのお荷物とされてきた全北は、イ・ドングッとともに成長し、今ではリーグトップクラスのチームとなった。

全北のシンボルであるイ・ドングッの引退日に優勝トロフィーを掲げることができれば、これほど幸せなことはない。引退会見でも「妻と選手生活の締めくくりはハッピーエンドで終わるべきだ」と語っていた。引退試合で優勝して引退する選手がどれほどいるだろうか。その瞬間を共有できればと思う。ハッピーエンドになるのではないかと思う」とし、優勝とともにスパイクを脱ぎたいという意志を示した。

そうした状況のなか、全北は最終戦に向けて落ち着いて準備を進めている。イ・ドングッは10月29日に行われた引退会見後も普段通りチームの練習に合流し、最終戦に備えた。イ・ドングッは引退するベテランとはいえ、依然として高い能力を持っている。今シーズン途中には負傷離脱していたもののすでに完全復帰しており、大邱戦でも先発または途中出場でチームの攻撃をリードするものとみられる。

プレミアムチケット争奪戦にまで発展

試合への期待感は大きい。新型コロナの影響でスタジアムを満席にできないため、1万201人のみ入場可能となっており、当然のごとく全席完売となった。そのため、レジェンド引退の瞬間をともにしようとする全北ファンのチケット争奪戦が繰り広げられ、ダフ屋問題にまで発展するほど韓国国内では大きなトピックスとなっている。

最終戦を控え、ヒュンダイ自動車グループのチョン・ウィソン会長が、全北のホームタウンである全州への訪問を計画しているとのことだ。チョン会長が全州に来るのは今回が初めてのことになる。

イ・ドングッ(写真右)

チョン会長はチームへの愛着が大きく、普段から細やかに気を使うことで有名だ。過去にはチェ・ガンヒ監督、キム・サンシクコーチらと直接会って激励するなど、チームを大事にしている。しかし、そのようなチョン会長も未だ競技場に訪れたことはなかった。

これまでは2016年にソウルワールドカップ競技場での試合を観戦したのみだった。訪れないことに対する理由は知られていないが、事情通の関係者は「勝利に対するプレッシャーを与えないため、なるべくスタジアムには行かないと聞いている」と話した。

そのチョン会長が全州を直接訪れるということは、イ・ドングッ引退試合が韓国国民においてどれほど大きなビッグイベントなのかを実感させてくれる。

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