韓国プロ野球が、成功的なシーズン終了を目の前に控えている。
来る10月31日に行われるNCダイノス対KIAタイガースの残余試合が終われば、韓国プロ野球はレギュラーシーズン全720試合を消化したことになる。
新型コロナウイルス感染症の影響で世界各地のプロスポーツが縮小運営などを強いられたのを見ても、韓国プロ野球のフルシーズン消化は“防疫の成功”と軌を一にするだろう。
ロサンゼルス・ドジャースが32年ぶりにワールドシリーズを制覇した米メジャーリーグは、レギュラーシーズンを60試合制にする“超ミニシーズン”で運営した。ただ、ドジャースのジャスティン・ターナーが試合中に新型コロナ感染が判明したことで、球界全体が大騒ぎの状態だ。
日本のプロ野球でも、シーズン中に主要選手の新型コロナ感染のニュースが流れた。こうした事態を見ても、来年も正常にシーズンを行えるかは疑問符が残る。
一方、韓国プロ野球は“1軍選手感染者ゼロ”でシーズンを終えられそうだ。
ハンファ・イーグルスの一部の2軍選手に陽性反応が出たことで、フューチャーズリーグ(2軍リーグ)が一時中断される事態もあった。だが、徹底した防疫指針とマニュアルのおかげで、1軍選手に拡散されることはなかった。
全10球団が各144試合を完走できた事実は、“ウィズコロナ時代”の有意義な道しるべになるといって良いだろう。
もちろん、選手たちのコンディション低下や頻繁な負傷による競技力低下は改善しなければならない課題だ。それでも、「全員で力を合わせればウイルス拡散を防げる」ことを示した象徴的なシーズンとして記録される可能性は高い。
韓国野球委員会(KBO)が一足先に作成・配布した防疫マニュアルを、他の競技も参考にして防疫指針を確立したことも否定できない事実だ。
メジャーリーグや日本プロ野球も、韓国プロ野球の防疫マニュアルを参考にした。“K防疫の世界化”をけん引したという自負心を持てるのも当然だ。
徹底した防疫に守られたおかげで、今シーズンは各種新記録も誕生する見込みだ。
残り試合の結果次第では、韓国プロ野球で歴代2回目となる「単一シーズンでの50本塁打、200本塁打、20勝同時達成」がみられるかもしれない。
最も有力な記録は、2014年にソ・ゴンチャン(キウム・ヒーローズ)が生んだ200安打(201本)の再現だ。
斗山ベアーズのホセ・フェルナンデスは、10月28日現在まで197安打を記録している。
レギュラーシーズン残り2試合で3つの安打を加えられれば、歴代2人目であり、外国人選手初となる200安打の大記録を達成することになる。
KTウィズのメル・ロハス・ジュニアは現在まで47本塁打と、外国人打者初の50本塁打達成を目前にしている。
ロハスはすでに、韓国プロ野球の外国人打者として単一シーズン最多本塁打の新記録を更新中だ。KT率いるイ・ガンチョル監督は「1日に1本ずつ、決定的な本塁打を放ってほしい」と笑顔で期待を示す。
50本塁打という数字は、2015年のパク・ビョンホ(キウム・ヒーローズ)に達成して以降、誰も成し遂げられていない記録だ。
斗山のラウル・アルカンタラは、残り試合で1勝を加えれば「20勝」という待望の大記録を達成することになる。
もしアルカンタラが達成できれば、斗山は昨シーズンのジョシュ・リンドブロム(現ミルウォーキー・ブルワーズ)に次いで2シーズン連続で20勝投手を輩出する。
現段階で斗山はレギュラーシーズンの最終順位が確定していないため、アルカンタラが残り2試合のうちに登板する可能性は非常に高い。
韓国プロ野球史上、50本塁打、200安打、20勝が同時に生まれたのは2014年が唯一だ。当時はソ・ゴンチャンが201安打、パク・ビョンホが52本塁打、アンディ・バンヘッケンが20勝をそれぞれ達成していた。
韓国プロ野球は10月30日にレギュラーシーズンを終えた後、11月1日から、シーズン1位~5位が出場するポストシーズンをスタートする予定だ。
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