セントルイス・カージナルスのキム・グァンヒョン(32)が10月23日、ソウル汝矣島(ヨイド)のケンシントンホテルで記者会見を開き、メジャーリーグ(MLB)初年度を終えた心境を明かした。
韓国プロ野球の2019シーズン終了後、SKワイバーンズを離れカージナルスへと加入したキム・グァンヒョン。
韓国では“国内最高投手”とも呼ばれた彼は、初挑戦となったMLBの舞台で多事多難なシーズンを過ごした。新型コロナウイルス感染症の影響で春季キャンプやオープン戦が全面中止となり、一時シーズン開幕は無期限延期状態に。現地は運動施設がすべて閉鎖され、キム・グァンヒョンは同僚とキャッチボールなどをするほかなかった。
こうした当時の苦悩について、キム・グァンヒョンは「今年は室内だけにいた。野球もできず苦しかった。“なぜ自分はここに来たのか”と考えたこともあった」と語っている。
ただ、去る7月のシーズン開幕以降は幾度となく好ピッチングを披露。キム・グァンヒョンは今シーズン、8試合39イニングを投げて3勝0敗、防御率1.62と優れた数字で終えることとなった。
シーズン開幕が延期された当時、キム・グァンヒョンは韓国に帰国して身体を作ることもできたが、最終的にアメリカ残留を選んだ。
このことについては「アメリカは入国禁止措置が取られてもおかしくない状況だった。それに、時差ボケなど些細な問題も心配だった。むしろ、アメリカで忍耐を続けたことが結果的に良かったかもしれない」と笑いながら語った。
異国で感じた寂しさも打ち明けた。新型コロナによって、アメリカ国内でほとんど韓国人と出会えなかったのだ。「たまに韓国と関係のある人を見ると嬉しかった」とキム・グァンヒョンは明かす。
去る9月15日のミルウォーキー・ブルワーズ戦では、相手投手のジョシュ・リンドブロムと旧交を温めた。リンドブロムはかつて、韓国プロ野球のロッテ・ジャイアンツや斗山ベアーズでプレーした右腕投手。彼もキム・グァンヒョン同様、2019シーズン終了後に活躍の場をMLBに移していた。
キム・グァンヒョンは「実際のところ、試合前に相手チームの先発投手に声をかけるのは難しい。でも、リンドブロムと会ったときは両腕を上げて手を振り、あいさつをした」と回想した。
キム・グァンヒョンはシーズンを振り返り、「まだ満足できる水準ではない」と断言。一方で、「このような記者会見を開けるほど活躍はできなかった。でも、ファンにあいさつをしたいと思って席を設けた」とファンへの感謝も欠かさなかった。
また、アメリカ現地メディアの間で“キム・グァンヒョンは運が良かった”と評価されていることについては、「運も実力だ」と豪快に笑い飛ばした。
最後に、キム・グァンヒョンは「一生懸命努力したからこそ、運もついてきた。もっと実力を高められるよう努力していく」と来シーズンへの決意を語った。
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