かつて日本の千葉ロッテマリーンズにも所属していたキム・テギュン(38、ハンファ・イーグルス)が電撃引退を発表した。
負傷と打撃不振で調整を行っていた9月に引退の決意を固めた。キム・テギュンの引退発言に“ファーストジェネレーション”と呼ばれた、1982年生まれで同い年の友人たちが惜別の言葉を送った。
電撃引退のニュースは10月21日に球団を通じて発表された。引退式は史上最大規模で盛大に行われる予定だが、引退試合は予定していないとのことだ。
球団が発表した「ファンの皆様には大きな愛をもらったが、それに充分に応えることができなかった」という言葉は、キム・テギュンの意思を反映していたことがわかった。
引退に関する詳細は、10月22日に行われるKIAタイガースとのホームゲームの前に公式インタビューの形で伝えられる予定だ。
気さくな性格でとっつきやすい人柄に加え、人の心をグッと掴んで離さないカリスマ性も持ち合わせていたキム・テギュンは、友人の間でも人気者だった。
メジャーリーグ(MLB)テキサス・レンジャース所属のチュ・シンスも、2009年に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)代表でキム・テギュンと再会した際、「(彼は)本当に仲の良い友達」と語った。チュ・シンスと同じ釜山生まれの友人で、イ・デホ(元福岡ソフトバンクホークス、現ロッテ・ジャイアンツ所属)、チョン・グンウ(LGツインズ)たちよりも仲が良いとアピールしていた。
キム・テギュンと同年代の戦友たちにとっても“引退”の2文字は他人事ではない
今シーズン終了後にフリーエージェント(FA)の資格を再び得るロッテ・ジャイアンツのイ・デホは、「まだ現役を続けられるであろう同い年の友人が引退することは残念だ。心が痛い」と言葉を詰まらせた。韓国代表でも交互に4番打者を務めたライバルは悲しみに暮れていた。
数多くの対決をしながら、お互いにリスペクトもしていたオ・スンファン(元阪神タイガース、現サムスン・ライオンズ所属)も惜しい気持ちを伝えた。
オ・スンファンは「昨年にはソン・スンラクが引退し、今年はキム・テギュンが引退する。今すぐではないがいずれ私にもその瞬間が訪れるのかと考えはした」とし、「引退を決意するまでどれくらい悩んだろうか。彼の判断に拍手を送りたい」と語った。
選手ならば誰しもできるだけ長く現役生活を送りたいはずだ。実力が大きく落ちていないことは成績を見ればわかるし、まだできるだろうという声も理解できる。昨年メジャーからKBOに戻ってきたオ・スンファンも「現役生活をいつまで続けるかは決めていない。力が落ちたことを実感すれば潔く退くだろう」と明らかにした。
シーズン途中に引退を決めたキム・テギュンの判断は、オ・スンファンにとって他人事ではないようだ。
オ・スンファンは「(キム・テギュンは)バッティングにおけるボールコンタクト能力に優れた打者だった。その一方でアベレージヒッターとしてほぼ毎年3割を上回っていた。それだけですごい選手」とし、「対戦するたびに脅威を感じていたし、厄介な相手だった」と、これまでの勝負を振り返った。
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